登録販売者試験まとめノート(26)「薬事関係法規・制度(2)」

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食品 登録販売者

本稿では、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」を「医薬品医療機器等法」と称する。(適宜、法と略する

医薬品の分類・取扱い等

毒薬・劇薬、生物由来製品

毒薬・劇薬

毒薬とは、毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいう。(法第44条第1項)

劇薬とは、劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいう。(法第44条第2項)

毒薬及び劇薬は、単に毒性、劇性が強いものだけでなく、薬効が期待される摂取量(薬用量
と中毒のおそれがある摂取量(中毒量)が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を
要するもの等が指定され、販売は元より、貯蔵及びその取り扱いは、他の医薬品と区別されてい
る。

毒薬又は劇薬は、要指導医薬品に該当することはあるが、現在のところ、毒薬又は劇薬で、一般用医薬品のものはない。

毒薬と劇薬の特徴
種別毒薬劇薬
貯蔵・陳列・他の物と区別する
・かぎを施さなければならない
他の物と区別する
容器・被包の記載黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「」の文字が記載されていなければならない。容器等に白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「」の文字が記載されていなければならない。
交付14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。

毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない。(法第46条第1項及び規則第205条)

毒薬又は劇薬については、店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び医薬品営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、開封して、販売等してはならない(法第45条)。

生物由来製品

法第2条第10項

人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。)をされる医薬品医薬部外品化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの

生物由来製品は、製品の使用による感染症の発生リスクに着目して指定されており、生物由来の原材料(有効成分に限らない。)が用いられているものであっても、現在の科学的知見において、感染症の発生リスクの蓋然性が極めて低いものについては、指定の対象とならない。

現在のところ、生物由来製品として指定された一般用医薬品又は要指導医薬品はない。

化粧品

法第2条第3項

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの

  • 人の疾病の診断治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを目的とするものは化粧品に含まれない
  • 医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない
  • 医薬品について化粧品的な効能効果を表示・標榜することは、過度の消費や乱用等の不適正な使用を助長するおそれがあり、承認された効能効果に含まれる場合を除き、適当でない
  • 医薬部外品に、化粧品的効能効果を標榜することは、薬用化粧品薬用石けん薬用はみがき等が認められている。
  • 医薬品的な効能効果の表示・標榜がなされた場合には、法第66条第1項により禁止される虚偽又は誇大な広告に該当するほか、その標榜内容等によっては医薬品又は医薬部外品とみなされ、無承認無許可医薬品又は無承認無許可医薬部外品として法第55条第2項に基づく取締りの対象となる。

化粧品の成分本質(原材料)についても、原則として医薬品の成分を配合してはならないこととされており、配合が認められる場合にあっても、添加物として使用されているなど、薬理作用が期待できない量以下に制限されている。

食品

食品とは

食品とは、医薬品医薬部外品及び再生医療等製品以外すべての飲食物をいう(食品安全基本法第2条、食品衛生法第4条第1項)。

無承認無許可医薬品

外形上、食品として販売等されている製品であっても、その成分本質、効能効果の標榜内容等に照らして医薬品とみなされる場合には、法第14条又は第19条の2の規定に基づく承認受けずに製造販売され、又は法第13条第1項の規定に基づく製造業の許可等を受けずに製造された医薬品(無承認無許可医薬品)として、法第55条第2項に基づく取締りの対象となる。

医薬品の範囲に関する基準

経口的に摂取される物が医薬品に該当するか否かについては、一般の生活者から見て必ずしも明確でない場合があるため、無承認無許可医薬品の指導取締りの一環として「医薬品の範囲に関する基準
が示されている。

医薬品の範囲に関する基準

  • 成分本質(原材料)が、専ら医薬品として使用される成分本質を含むこと(食品添加物と認められる場合を除く。)
  • 医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていること(製品表示や添付文書によるほか、チラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物等による場合も含む。)
  • アンプル剤や舌下錠、口腔用スプレー剤等、医薬品的な形状であること
    ※錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の形状については、食品である旨が明示されている場合に限り、当該形状のみをもって医薬品への該当性の判断がなされることはない
  • 服用時期、服用間隔、服用量等の医薬品的な用法用量の記載があること
    (調理のために使用方法、使用量等を定めている場合を除く。)

保健機能食品

特定保健用食品、② 栄養機能食品、③ 機能性表示食品を総称して「保健機能食品」という。これらはあくまで食生活を通じた健康の保持増進を目的として摂取されるものである。

食品として販売に供するものについて、健康の保持増進効果等につき虚偽又は誇大な表示をすることは禁止されている。(健康増進法第65条)。

特定保健用食品

健康増進法に基づく承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品である。

特定の保健の用途を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する審査を受け許可又は承認を取得することが必要である。

条件付き特定保健用食品

現行の特定保健用食品の許可の際に必要とされる有効性の科学的根拠のレベルに達しないものの、一定の有効性が確認されるものについては、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可されている。

特定保健用食品及び条件付き特定保健用食品にも、それぞれ消費者庁の許可等のマークが付されている。

栄養機能食品

1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分の量が、基準に適合しており、栄養表示しようとする場合には、食品表示基準の規定に基づき、その栄養成分の機能の表示を行わなければならない。
栄養成分の機能表示に関しては、消費者庁長官の許可は要さないが、その表示と併せて、当該栄養成分を摂取する上での注意事項を適正に表示することが求められている。また、消費者庁長官個別の審査を受けたものではない旨の表示も義務づけられている。

機能性表示食品

食品表示法の規定に基づく食品表示基準に規定されている食品である。事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。

消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない

特別用途食品(特定保健用食品を除く。)

乳児幼児妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法第43条第1項の規定に基づく許可又は同法第63条第1項の規定に基づく承認を受け、「特別の用途に適する旨の表示」をする食品であり、消費者庁の許可等のマークが付されている。

特別用途食品には、病者用食品、妊産婦、授乳婦用、乳児用、えん下困難者用、特定保健用食品がある。

その他「いわゆる健康食品」

健康食品という単語は、法令で定義された用語ではないが、一般に用いられている単語である。栄養補助食品、サプリメント、ダイエット食品等と呼ばれることもある。法や食品衛生法等における取扱いは、保健機能食品以外の一般食品と変わるところはない

健康被害

これまでにそうした無承認無許可医薬品の摂取によって重篤な健康被害が発生した事例も知られており、厚生労働省、消費者庁や都道府県等では、因果関係が完全に解明されていなくとも、広く一般に対して注意を喚起して健康被害の拡大防止を図るため、製品名等を公表している

参考

  • 改訂版 この1冊で合格! 石川達也の登録販売者 テキスト&問題集 (KADOKAWA)
  • 登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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