新・登録販売者試験まとめノート(29)「第2章 人体の働きと医薬品 I 人体の構造と働き(11)」

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I 人体の構造と働き(11)

3 皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官

2)骨格系

骨格系は骨と関節からなり、骨と骨が関節で接合し、相連なって体を支えている。

骨は体の器官のうち最も硬い組織の一つで、その基本構造は、以下の4組織からなる。
(1) 主部となる骨質
(2) 骨質表面を覆う骨膜
(3) 骨質内部の骨髄
(4) 骨の接合部にある関節軟骨

骨には次のような機能がある。

  • 身体各部の支持機能:頭部や内臓を支える身体の支柱となる。
  • 臓器保護機能:骨格内に臓器を収め、保護する。
  • 運動機能:骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する。
  • 造血機能骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化することにより、体内に供給する。
  • 貯蔵機能:カルシウムやリン等の無機質を蓄える。

骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。
骨吸収と骨形成とが互いに密接な連絡を保ちながら進行し、これが繰り返されることで骨の新陳代謝が行われる。骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなるが、それらのカルシウムが骨から溶け出し、ほぼ同量のカルシウムが骨に沈着する。吸収と形成のバランスが取られることにより、一定の骨密度が保たれる。無機質は骨に硬さを与え、有機質タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保つ。

関節とは、広義には骨と骨の連接全般を指すが、狭義には複数の骨が互いに運動できるように連結したもの(可動関節)をいう。骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われ、これが衝撃を和らげ、関節の動きを滑らかにしている。関節周囲を包む膜(滑膜)は軟骨の働きを助け、靱帯は骨を連結し、関節部を補強している。

3)筋組織

筋組織は、筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織からなり、その機能や形態によって、骨格筋、平滑筋、心筋に分類される。このうち運動器官とされるのは骨格筋であり、関節を動かす骨格筋は、関節を構成する骨に腱を介してつながっている。筋組織は筋細胞と結合組織からできているのに対して、けん結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりない

骨格筋は、筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれる。
収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋であるが、疲労しやすく、長時間の動作は難しい。
骨格筋の疲労は、運動を続けることでエネルギー源として蓄えられているグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、グリコーゲンの代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象である。

随意筋に対して、意識的にコントロールできない筋組織不随意筋という。平滑筋心筋は不随意筋である。平滑筋は、筋線維に骨格筋のような横縞模様がなく、消化管壁、血管壁、膀胱等に分布し、比較的弱い力で持続的に収縮する特徴がある。
心筋は、心臓壁にある筋層を構成する筋組織で、不随意筋であるが筋線維には骨格筋のような横縞模様があり、強い収縮力と持久力を兼ね備えている。

筋組織は神経からの指令によって収縮するが、随意筋(骨格筋)は体性神経系(運動神経)で支配されるのに対して、不随意筋(平滑筋及び心筋)は自律神経系に支配されている

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