新・登録販売者試験まとめノート(32)「第2章 人体の働きと医薬品 Ⅱ薬が働く仕組み(1)

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登録販売者

Ⅱ薬が働く仕組み(1)

医薬品の作用には、有効成分が消化管などから吸収されて循環血液中に移行し、全身を巡って薬効をもたらす全身作用と、特定の狭い身体部位において薬効をもたらす局所作用とがある。
内服した医薬品が全身作用を現わすまでには、消化管からの吸収、代謝と作用部位への分布という過程を経るため、ある程度の時間が必要であるのに対し、局所作用は医薬品の適用部位が作用部位である場合が多いため、反応は比較的速やかに現れる。

内服薬は全身作用を示すものが多いが、膨潤性下剤や生菌製剤等のように、有効成分が消化管内で作用するものもあり、その場合に現れる作用は局所作用である。
また、胃腸に作用する薬であっても、有効成分が循環血液中に入ってから薬効をもたらす場合には、その作用は全身作用の一部であることに注意が必要である。

外用薬の場合、適用部位に対する局所的な効果を目的としていることが多い。
また、坐剤経皮吸収製剤等では、適用部位から吸収された有効成分が、循環血液中に移行して全身作用を示すことを目的として設計されたものも存在する。

副作用にも、全身作用によるものと局所作用によるものとがある。局所作用を目的とする医薬品によって全身性の副作用が生じたり、逆に、全身作用を目的とする医薬品で局所的な副作用が生じることもある。

医薬品が体内で引き起こす作用(薬効と副作用)を理解するには、使用された医薬品が体内でどのような挙動を示し、どのように体内から消失していくのか(薬物動態)に関する知識が不可欠である。

1)薬の生体内運命

(a) 有効成分の吸収

全身作用を目的とする医薬品では、その有効成分が消化管等から吸収されて、循環血液中に移行することが不可欠である。
局所作用を目的とする医薬品の場合は、目的とする局所の組織に有効成分が浸透して作用するものが多い。

① 消化管吸収

内服薬のほとんどは、その有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し、全身作用を現す。錠剤、カプセル剤等の固形剤の場合、消化管で吸収される前に、錠剤等が消化管内で崩壊して、有効成分が溶け出さなければならないが、腸溶性製剤のような特殊なものを除き、胃で有効成分が溶出するものが大部分である。
内服薬の中には、服用後の作用を持続させるため、有効成分がゆっくりと溶出するように作られているもの(徐放性製剤じょほうせいせいざい)もある。

有効成分は主に小腸で吸収される
一般に、消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。
有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける。
また、有効成分によっては消化管の粘膜に障害を起こすものもあるため、食事の時間と服用時期との関係が、各医薬品の用法に定められている。

全身作用を目的としない内服薬は、本来、有効成分が消化管から吸収されることによって薬効を発揮するわけではなく、有効成分はそのまま糞便中に排泄されることとなるが、中には消化管内を通過する間に結果的に吸収されてしまうものがある。その場合、循環血液中に移行した有効成分によって、好ましくない作用(副作用)を生じることがある。

参考
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター

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