ありえない選択肢
無駄なプログラムとなる選択肢である。 空所に選択肢を当てはめると、プログラムが実行エラーになったり、処理が永久に進まなくなったりする。 これらは、不正解の選択肢のため、 初めから検討の対象外にできる。
[ありえない選択肢」の例は、以下の通りである。
- 変数の宣言だけして、変数に値を格納したり、変数から値を取り出したりすることがない状態になる選択肢。
- 変数に値を格納する前に、変数から値を取り出す状態になる選択肢。
- 無限ループの状態になる選択肢。
以下のような擬似言語の問題ならではの理由のため、 [ありえない選択肢] が出題される。
- プログラムの行数が短い。
- プログラムで使用する変数の個数が限られている。
- 条件式のパターンが限られている。
[ありえない選択肢] には、次の3つがある。
- 無限ループは不正解(今回)
- 連続格納は不正解(次回)
- 値を格納して利用するではないのは不正解(次々回)
[ありえない選択肢] によるメリットは、以下の通りである。
- [ありえない選択肢] により、試験問題の処理内容を理解しなくても、一部の選択肢は不正解だと分かる。 そのため、その選択肢を検討の対象外にできる。
- 残りの選択肢の中から正解を検討するため、正解の確率が高まる。
- [当てはめ法] で当てはめる選択肢の個数を減らせる。
無限ループは不正解
繰返し処理内に空所がある場合、空所に選択肢を当てはめてみると、無限ループとなる場合がある。 つまり、繰返し処理の条件式にある変数の値が変化しない場合である。

無限ループとなる場合、 条件式にある変数の値が毎回変化する選択肢を空所に入れる。
無限ループとなる基準
この解法が使えるかどうかを確かめるための基準は、以下の通りである。
- 基準1:繰返し処理内に空所がある。
- 基準2:条件式にある変数の値が変化しない。
↓
対策:条件式にある変数の値が毎回変化する選択肢を空所に入れる。
このプログラムと選択肢において、受験テクニックにより不正解と分かるものは、 以下の通りである。
aは、「繰返し処理内に空所がある」〈基準1〉、かつ、「条件式にある変数の値が変化しない」〈基準2〉を満たす。
なぜなら、条件式 「 iが100より小さい」 の変数の値は、仮にこのままだと変化しないためである。 つまり無限ループとなる。
その対策として、変数の値が毎回変化する選択肢を空所に入れる。
ア、イは、条件式にある変数の値が変化しないため、 誤りである。
ウは、変数は初回は値が変わるものの、2回目以降は初回と同じままで値が変化しない。
これでは、「毎回変化する」わけではないので、誤りである。
エは、変数の値が1→2→3→…→100と、毎回変化するため、 正解である。
よって、正解はエである。
このように、「ありえない選択肢では、基準を満たすかどうかを確かめることで、不正解の選択肢が分かる。 つまり、プログラムの一部と選択肢を見るだけで、 処理内容を理解しなくても、正解に近づける。
(参考)
情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第4版 橋本 祐史 (著) 翔泳社


コメント