本稿では、「知的財産管理技能検定」を「知財検定」と称する。
本稿は、「知財検定2級」の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。
特許査定とは
審査官は、特許出願について拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の査定をしなければならない。(特許法51条)
ただし、特許査定がなされただけでは特許権は発生しない。
特許査定の謄本が送達された日から30日以内に特許料を納付し、特許権の設定登録がされて、初めて特許権が発生する。(66条)
(特許権の設定の登録)
第66条 特許権は、設定の登録により発生する。
2 第107条第1項の規定による第1年から第3年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。
(略)
(特許料)
第107条 特許権の設定の登録を受ける者又は特許権者は、特許料として、特許権の設定の登録の日から第六十七条第一項に規定する存続期間(同条第四項の規定により延長されたときは、その延長の期間を加えたもの)の満了までの各年について、一件ごとに、六万千六百円を超えない範囲内で政令で定める額に一請求項につき四千八百円を超えない範囲内で政令で定める額を加えた額を納付しなければならない。
(略)
(特許料の納付期限)
第108条 前条第一項の規定による第1年から第3年までの各年分の特許料は、特許をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日から30日以内に一時に納付しなければならない。
(略)
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拒絶査定とは
拒絶査定とは、「この特許出願には拒絶理由が存在する」という審査官が下した最終判断である。
拒絶理由通知に対する出願人の反論(意見書や手続補正書)では、拒絶理由は解消されないと判断したときや、拒絶理由を通知しても出願人が応答しない場合、拒絶査定が出される。(特許法49条)
審査官から拒絶査定を受け(拒絶査定の謄本が送達される)、これを放置すると拒絶査定が確定する。
→特許の取得は不可能
(拒絶の査定)
第49条 審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
(査定の方式)
第52条 査定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。
2 特許庁長官は、査定があつたときは、査定の謄本を特許出願人に送達しなければならない。
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拒絶査定に不服がある場合
拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から3か月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。(特許法121条)
拒絶査定不服審判では、「審査の結果を覆して特許すべきである」もしくは、「審査の通りであり、拒絶すべきである」という審決を出して、終了する。
拒絶査定不服審判の請求に理由があると判断されると、特許査定をすべき旨の審決(159条3項)か、さらに審査に付すべき審決(160条1項)がなされる。
拒絶審決に対しては、審決の謄本の送達日から30日以内に東京高等裁判所(知的財産高等裁判所)へ取消しを求める「審決取消訴訟」を提起できる。(178条)
拒絶審決に対しては、最終的には、最高裁判所で争うことができる。
なお、拒絶審決の謄本送達日から30日間放置していると、拒絶審決が確定する。
この拒絶査定不服審判の請求と同時に明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。(17条の2第1項4号)
(拒絶査定不服審判)
第121条 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
(審決等に対する訴え)
第178条 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から30日を経過した後は、提起することができない
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(参考)
・「知的財産管理技能検定2級公式テキスト(改訂13版)」 知的財産教育協会 (編集) アップロード
・「知的財産管理技能検定2級完全マスター[改訂7版]1特許法・実用新案法」 アップロード知財教育総合研究所 (編集) アップロード
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