関係演算子の否定
関係演算子を否定することで、プログラムを解釈しやすくなる。否定前の関係演算子を否定する例は、以下の通りである。 この例は、「否定前→否定後」の形式で表記している。 特に上から4つめまでは、間違いやすい。
| 否定前 | 否定後 | ||||
| 試験問題の表記 | 関係演算子 | 試験問題の表記の例 | 関係演算子の例 | 否定後の試験問題の表記 | 否定後の関係演算子 |
| より大きい | > | aが5より大きい | a>5 | 以下 | ≦ |
| 以上 | ≧ | aが5以上 | a≧5 | より小さい | < |
| より小さい | < | aが5より小さい | a<5 | 以上 | ≧ |
| 以下 | ≦ | aが5以下 | a≦5 | より大きい | > |
| 等しい | = | aが5と等しい | a=5 | 等しくない | ≠ |
| 等しくない | ≠ | aが5と等しくない | a≠5 | 等しい | = |
条件の変換
空所に対応する問題文などの記述は、あえて終了条件になっていることが多い。 しかし、繰返し処理(while・do・ for) にある空所は、継続条件で記述しなければならない。 そのため、終了条件から継続条件へと変換する必要がある。その変換手順は、以下の通りである。
条件の変換手順
- 問題文をそのまま条件式にする。
- 条件式の関係演算子を否定する。
ド・モルガンの法則
ド・モルガンの法則
法則①(AND の否定は OR になる)
A ∧ B = A ∨ B
「A かつ B ではない」
→ 「A ではない、または B ではない」
法則②(OR の否定は AND になる)
A ∨ B = A ∧ B
「A または B ではない」
→ 「A ではなく、かつ B でもない」
問題文に記述された条件が終了条件であり、かつそれを条件式にすると, and や or などの論理演算子を含む場合、ド・モルガンの法則の変換手順に沿って変換する。
ド・モルガンの法則の変換手順
- 問題文をそのまま条件式にする。
- 各条件式の関係演算子を否定する。
- and を or に or をandに変換する。
関係演算子(より大きい、以下など)や論理演算子 (and や or) について、問題文をもとにあれこれ考えなくても、この変換手順を使えば、すばやく正解できる。
ド・モルガンの法則は、論理演算(AND・OR・NOT)の形を入れ替えるルールである。
「全体を否定すると、演算子が入れ替わる」と覚えると分かりやすい。
(参考)
情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第4版 橋本 祐史 (著) 翔泳社


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