本稿は、「管理業務主任者試験」の出題範囲のうち、「標準管理規約」の頻出論点をまとめたものである。
標準管理規約には、「単棟型」、「団地型」、「複合用途型」の3つの種類がある。
試験では、「単棟型」を中心に出題される。したがって、本ブログでは、「単棟型」を中心に掲載し、「団地型」、「複合用途型」は、ポイントを掲載するものとする。
専有部分の用途(12条)
区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
〔※住宅宿泊事業に使用することを可能とする場合、禁止する場合に応じて、次のように規定〕
(ア)住宅宿泊事業を可能とする場合
(1) 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
(2) 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。
(イ)住宅宿泊事業を禁止する場合
(1)区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
(2)区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。
第12条関係コメント(抜粋)
① 住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。
② 住宅宿泊事業法第2条第3項に規定する住宅宿泊事業については、(2)のように、可能か禁止かを明記することが望ましい。また、旅館業法第3条第1項の簡易宿所の許可を得て行う「民泊」については、旅館業営業として行われるものであり、通常は(1)の用途に含まれていないと考えられるため、可能としたい場合には、その旨を明記することが望ましい。旅館業法や住宅宿泊事業法に違反して行われる事業は、管理規約に明記するまでもなく、当然に禁止されているとの趣旨である。 さらに、「区分所有者は、その専有部分を、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を行う用途に供してはならない。」のような規定を置くこともあり得る。
⑤ (イ)の場合において、住宅宿泊事業の実施そのものだけでなく、さらに、その前段階の広告掲載等をも禁止する旨を明確に規定するため、「区分所有者は、(1)、(2)に違反する用途で使用することを内容とする広告の掲載その他の募集又は勧誘を行ってはならない。」のような規定を置くこともあり得る。
⑥ 暴力団の排除のため、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止する旨の規定を追加することも考えられる。
(参考)
らくらくわかる! マンション管理士 速習テキスト 2024年度(TAC出版)
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