基本情報技術者試験のサンプル問題を解こう!(18)(科目B)「ECサイトにおける責任」

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IT系

基本情報技術者試験のサンプル問題(科目B)を解いてみよう。

今回のテーマは、「ECサイトにおける責任」である。

問17
製造業の A 社では,EC サイト(以下,A 社の EC サイトを A サイトという)を使用し,個人向けの製品販売を行っている。A サイトは,A 社の製品やサービスが検索可能で,ログイン機能を有しており,あらかじめ A サイトに利用登録した個人(以下,会員という)の氏名やメールアドレスといった情報(以下,会員情報という)を管理している。A サイトは,B 社の PaaS で稼働しており,PaaS 上の DBMS とアプリケーションサーバを利用している。
A 社は,A サイトの開発,運用を C 社に委託している。A 社と C 社との間の委託契約では,Web アプリケーションプログラムのぜい弱性対策は,C 社が実施するとしてい
る。
最近,A 社の同業他社が運営している Web サイトで脆弱性が悪用され,個人情報が漏えいするという事件が発生した。そこで A 社は,セキュリティ診断サービスを行っている D 社に,A サイトの脆弱性診断を依頼した。脆弱性診断の結果,対策が必要なセキュリティ上の脆弱性が複数指摘された。図 1 に D 社からの指摘事項を示す。

設問 図 1 中の各項番それぞれに対処する組織の適切な組合せを,解答群の中から選べ。

正解:カ

この問題は、誰がどのセキュリティ上の問題に対応すべきかを問うものである。
図1の「脆弱性の指摘事項」に対して、契約関係・システム構成・責任分担を基に、適切な組み合わせを選ぶ。


問題のポイント整理

Aサイトの構成と関係者の役割は以下のとおりである。

組織役割
A社製造業の企業。Aサイトの運営元(個人向け製品の販売を行う)。
B社Aサイトが稼働するPaaS(クラウドサービス)を提供している会社。DBMSやOSなどの基盤を提供。
C社Aサイトの開発・運用を委託されている会社。Webアプリの脆弱性対策を契約上担っている。
D社セキュリティ診断を行った会社。

各項番の責任者を考えよう

● 項番1:アプリケーションサーバのOSに脆弱性

  • OSの脆弱性は、PaaS上で稼働しているアプリケーションサーバのインフラ部分
  • つまり、PaaSを提供しているB社の責任

● 項番2:クロスサイトスクリプティング(XSS)

  • これはWebアプリケーションの脆弱性
  • 委託契約でWebアプリケーションの脆弱性対策はC社が実施するとある。
  • よって、C社の責任

● 項番3:DBMSに既知の脆弱性

  • DBMSはPaaS上で提供されており、OSと同様に基盤の一部
  • つまり、PaaS提供者であるB社の責任

正解は となる。


まとめ

  • PaaSのOSやDBMSの脆弱性 → PaaS提供者(B社)の責任
  • Webアプリケーションの脆弱性(XSSなど) → 開発・運用を受託し、契約で責任を持つ会社(C社

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