基本情報技術者試験の公開問題を解こう！（令和６年度・科目B）（2）「2進数と解釈した文字列を整数値に変換」

基本情報技術者試験の令和6年度の公開問題（科目B）を解いてみよう。

この問題は、2進数の文字列を10進数に変換する処理を行う関数 convDecimal において、ループ内でどのように計算すればよいかを問う問題である。

まず問題の目的を整理しよう

入力の例

“10010”

これは 2進数 である。10進数で表すと、
1×2⁴ + 0×2³ + 0×2² + 1×2¹ + 0×2⁰ = 16 + 0 + 0 + 2 + 0 = 18
となる。

プログラムの流れを見てみよう

○整数型: convDecimal(文字列型: binary)  
整数型: i, length, result ← 0
  length ← binaryの文字数
  for (i を 1 から length まで 1 ずつ増やす)
    result ← □
  endfor
  return result

ここで result ← □ に入るべき式を選ぶことになる。

2進数 → 10進数 の計算方法の基本

一般的に、左から右に順に見ていく場合、次のように計算する。

例：binary = “10010”

処理の流れ
1. 初期値: result = 0
2. ‘1’ → result = 0×2 + 1 = 1
3. ‘0’ → result = 1×2 + 0 = 2
4. ‘0’ → result = 2×2 + 0 = 4
5. ‘1’ → result = 4×2 + 1 = 9
6. ‘0’ → result = 9×2 + 0 = 18

これを見ると、「result × 2 ＋ 現在の文字の数値（0または1）」という形で計算していることがわかる。

それでは、各選択肢を確認しよう

ア：result + int(binary の (length － i ＋ 1)文字目の文字)
　→ 単なる足し算。×（不正解）

イ：result + int(binary の i文字目の文字)
　→ 単なる足し算。×（不正解）

ウ：result × 2 + int(binary の (length － i ＋ 1)文字目の文字)
　→ 正しい式だが、右から左（下位桁から）処理する形になっている。
プログラムは i = 1 to length（つまり左から）なので、順序が合っていない。×（不正解）

エ：result × 2 + int(binary の i文字目の文字)
　→ 正しい式で、左から順に処理する形にも合っている。○（正解）

したがって、正しい選択肢は、
エ result × 2 + int(binary の i文字目の文字)
である。