Ⅲ 胃腸に作用する薬(3)
③ 胃腸鎮痛鎮痙薬
1) 代表的な鎮痙成分、症状を抑える仕組み、主な副作用
抗コリン成分
ブチルスコポラミン、ロートエキス、メチルベナクチジウム
- 副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げる
(伝達物質がうまく働けないようにブロックする→副交感神経の作用低下) - ブチルスコポラミン: まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある
- ロートエキス:吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈) おそれがある
- 副作用: 散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、 便秘
→医薬品を使用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける
抗コリン成分とは異なる成分
パパベリン
- 消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める
- 抗コリン成分と異なり、 胃酸分泌を抑える作用は見出されない
- 抗コリン成分と異なり、 自律神経系を介した作用ではない
- 眼圧を上昇させる作用を示す
局所麻酔成分
アミノ安息香酸エチル、オキセサゼイン
- 麻酔作用による鎮痛鎮痙(胃痛、腹痛、 さしこみを鎮める)作用がある
- アミノ安息香酸エチル: 6歳未満の小児への使用は避ける
- メトヘモグロビン血症 (赤血球中のヘモグロビンの一部がメトヘモグロビンに変化 し、酸素の運搬能力が落ちる) を起こすおそれがあるため
- オキセサゼイン: 胃液分泌を抑える作用もある
→胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬(胃酸が出るのを抑える)の両方の目的で使用される
<抗コリン成分、パパベリン、オキセサゼインの違い >
配合成分 | 受容体の反応 | けいれん | 胃酸分泌 | 自律神経 |
---|---|---|---|---|
抗コリン成分 | 妨げる | 鎮める | 抑制 | 介する |
パパベリン | 妨げない | 鎮める | 抑制しない | 介さない |
オキセサゼイン | 妨げない | 鎮める | 抑制 | 介さない |
特にパパベリンがけいれんを鎮めること、オキセサゼインが胃酸分泌を抑えることが良く出題される。
生薬成分
エンゴサク、シャクヤク
シャクヤクが含まれる芍薬甘草湯はこむらがえりや腹痛に使われる。 どちらも筋肉のけいれんから痛むわけだが、 シャクヤクには鎮痛鎮痙作用があるからそういった筋肉のけいれんを抑えることができる。
(参考)
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター
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