2025年度のNHK大河ドラマ「べらぼう」は、江戸時代が舞台である。
写楽、歌麿を世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった蔦重こと蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)の波乱万丈の物語となっている。
ところで、近年、「江戸時代」が見直されているという。
筆者の子どもの頃は、江戸時代といえば、「鎖国」、「キリスト教の禁止」、「士農工商」という厳しい身分制度など、もっぱらネガティブなイメージで語られることが多かった。
我々が目にする「歴史」とは、勝者の歴史であることが多い。となると、ある一面しか見ていないことになる。文献も公式以外のものやその他の様々な資料から歴史を紐解いて、その時代の客観的で正しい評価がなされるべきである。
明治維新で、日本は近代国家へと歩みを始めたとされている。
これに比して「江戸時代」は前近代的で否定的に扱われてきた。
江戸時代の始まりにしても、徳川氏が、豊臣氏を滅ぼして政権を奪取した、ダーティなイメージである。
しかし、見方を変えれば、「鎖国政策」のおかげで日本が植民地として支配されることもなかったとも言える。
そして、明治新政府が、極めて短期間で近代化を成し得たのも、江戸時代にその素地がしっかりと準備されていたからではないだろうか。
2024年4月に始まったNHKテレビの教養番組「3か月でマスターする」シリーズに「江戸時代」が登場する。
今回は、この番組のテキストをご紹介しよう。
「3か月でマスターする 江戸時代 NHK出版 以下本書という」である。
3か月でマスターする 江戸時代
本書の特徴は以下の通りである。
知っているようで知らない”江戸時代”を、わかりやすく解説
2024年4月に始まった教養番組「3か月でマスターする」。「世界史」、「数学」、「ピアノ」に続く第4弾は、「江戸時代」。
この時代、現代につながる文化や学問、経済、政治の仕組みなどが生まれ、発展し、江戸は世界の大都市に成長。まさに、日本の歴史の転換点といえる。
江戸時代を学ぶことは日本を学ぶこと。歴史感覚を取り戻し、養うのは、今後日本がどのような進路をたどるのかを知ることにつながる。
そこで、最新研究による新説を交え、江戸時代の通史をわかりやすく解説。
江戸が舞台の2025年度大河ドラマ「べらぼう」に関する特別企画も収載する。
教科書で習った知識をアップデートし、歴史の奥深さに触れよう。【テキスト企画】江戸時代ってこんな時代!10大トピックス
第1回 「天下泰平」の世はなぜ生まれたのか?
第2回 幕府は「百姓・町人」とどう向き合ったのか?
第3回 本当は「鎖国」してなかったってホント?
第4回 「文治政治」は何を生んだ?
第5回 華やかな「元禄文化」はどのように生まれた?
第6回 なぜ立て続けに「改革」した? 1徳川吉宗~田沼意次
第7回 「鎖国」下で蘭学・科学が発展した?
第8回 なぜ立て続けに「改革」した? 2松平定信~水野忠邦
第9回 なぜ「日本的文化」が生まれ、発展した?
第10回 ペリー来航まで「ボーッ」としていたのか?
第11回 「開国か攘夷か」で大騒ぎしたのはなぜ?
第12回 なぜ「薩長」は江戸幕府を倒したのか?
【テキスト企画】大河ドラマ「べらぼう」の撮影道具で江戸発見!Amazonの本書の紹介ページより
初回放送は、NHKのEテレで、2025年1月8日(水)夜9時半からである。
この番組とテキストで「江戸時代」を最新知識で学び直しはいかがだろう。
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