財産分与(1)
ここで、改めて、民法条文の確認をしておこう。
(財産分与)
第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
(協議上の離婚の規定の準用)
第771条 第766条から第769条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。
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このように、財産分与の目的や決定基準は、ほとんど示されていない。財産分与の決定を当事者の自由な協議や裁判所の総合的な判断に任せる趣旨となっている。
財産分与の目的
昭和46年7月23日の「最高裁判決」では、離婚慰謝料の消滅時効起算点や財産分与と離婚慰謝料の関係について判断している。(民集 第25巻5号805頁)
【判決のポイント】
- 離婚慰謝料の請求は離婚から3年以内に提起されているため、消滅時効にかかっていない。
- 財産分与の制度は、夫婦の共同財産を清算分配し、離婚後の生計を維持することを目的とする。
- 財産分与がなされていても、不法行為を理由に離婚慰謝料を請求することは妨げられない。
- 財産分与に損害賠償の要素が含まれている場合は、離婚慰謝料の請求額を定める際に、財産分与の事情を考慮する。
また、昭和53年11月14日の「最高裁判決」では、「離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたっては、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。」としている。
(民集 第32巻8号1529頁)
(参考)家族法[第4版]NBS (日評ベーシック・シリーズ)日本評論社
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