NHKテレビで放送され(2024年4月から6月)、好評だった「3か月でマスターする 世界史」。
今回は、そのテキストをご紹介しよう。
以前、本ブログで、「歴史を学ぶ意義は、教養というだけでなく、最近では「防災」にも役立っていると聞く。」と書いた。
改めて、「歴史を学ぶ意義」について、テキスト(以下本書という。)の6月号巻頭、講師の岡本隆司先生の「はじめに」から引用させていただく。
歴史を学ぶと、さまざまな知識が手に入ることから、「歴史=雑学の一種」として見られてしまうことがあります。
3か月でマスターする 世界史 6月号
しかし歴史とは、「雑学」でもなければ、「物知り」になるためのものでもありません。
過去から長いスパンで世界を考え直すことができる、楽しくも深いツールのひとつです。
筆者も、「歴史」を学ぶことは、単なる暗記科目で、仕方なく学ぶ対象でなく、未来を考えるための人類「必修の」科目であると思っている。
本書(2024年4月号から6月号)の特徴は以下の通りである。
教科書で習った歴史を捉え直す! ユーラシア大陸からひも解く世界史 4月にスタートする「3か月でマスターする」シリーズのコンセプトは、“大人の学び直し”。第1弾(4~6月)のテーマは、「世界史」。
4月号は「西アジア」を主題とし、古代文明、シルクロード、イスラーム世界の誕生と拡大などについて解説する。 「西洋中心主義とは?」「キリスト教の発祥はヨーロッパ?」「文明誕生の条件は、大河だけではない?」など、私たちが学校教育のなかで身につけた歴史認識に一石を投じる世界史講座。
第1回 古代文明のはじまり カギは“遊牧”
第2回 ローマもオリエント?
第3回 世界宗教 誕生の条件
第4回 イスラム拡大の秘密5月号のテーマは「モンゴルが変えた世界」。
モンゴル前夜の遊牧国家が群雄割拠する時代から、東西ユーラシアを統合したモンゴル帝国の興亡、モンゴル帝国なき後、繁栄の場が陸から海洋に移り、大航海時代が到来するまでを紹介。
広大なアジアでは、遊牧、農耕、商業の三要素が交錯しながら、さまざまな勢力が分裂と統合を繰り返し、歴史を動かしてきた。
アジアに軸足をおいた新たな視点で世界史を知ることで、今世界で起きていることの深層が見えてくる。
過去、挫折した人でも、あこがれの世界史の知識や教養が自分のものに!第5回 多極の共存 遊牧国家と中華王朝
第6回 モンゴル拡大 東西の統一
第7回 モンゴル時代 空前の東西交流
第8回 帝国の解体 ティムールとルネサンスへ『3か月でマスターする世界史』も6月号で完結。最後のテーマは「アジアと欧米との対峙」。
モンゴル帝国の崩壊と、明の時代の中華思想、大航海時代とヨーロッパ列強によるアジアの植民地支配、2度の世界大戦を経ての米ソの台頭による国際秩序の再編から、現代に続く道のりを紹介する。
古代から続く壮大な歴史のうねりとドラマが、現代の世界情勢につながっている。
世界史に触れれば、現代のニュースの深層がわかる。過去、世界史に挫折した人でも、あこがれの知識や教養が自分のものに!
第9回 ”中華”の確立と大航海時代
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第10回 グローバル化とヨーロッパの覇権
第11回 近代化する日本と世界大戦
第12回 21世紀 台頭するアジア
これまで、世界史といえば、ヨーロッパがメイン。本番組は、「アジアから世界史をひも解くと、新しい視点の世界史」をテーマに、世界史を俯瞰できる番組である。
本放送はすでに終了しているが、テキストもよくできており、読むことで世界史の理解が深まる。
おすすめである。
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