PaizaCloudはブラウザだけで開発環境を使える便利なサービスである。
ただし無料プランでは容量が非常に少ないため、create-react-app
のようなnpmインストールは失敗してしまう。
そこでおすすめなのが CDN版React。
npm不要でHTMLファイル一つでReactを動かせるので、初心者やお試し利用に最適である。
まずは、前提知識として、Node.js と Reactについておさらいしておこう。
Node.jsとReactとは?
Web開発を学び始めると、よく耳にするのが Node.js と Reactである。
どちらもJavaScriptに関連した技術だが、役割は大きく異なる。
Node.jsとは?|サーバーサイドで動くJavaScript
Node.jsの基本
- JavaScriptをブラウザの外で動かせるようにした環境。
- 2009年に登場し、GoogleのV8エンジンを利用している。
- これまでブラウザでしか動かせなかったJavaScriptをサーバーでも使えるようになった。
Node.jsでできること
- Webサーバーを構築。(Expressなどのフレームワークが有名)
- CLIツール※(npmコマンドなど)
※コマンドラインインターフェース (Command-Line Interface) を通じて操作するツール - APIサーバー※やリアルタイム通信(チャットアプリなど)
※アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を提供する専用のサーバーのこと
Node.jsの特徴
- 非同期処理が得意 → 高速でスケーラブル。(利用規模の増減に柔軟に対応できる性質のこと)
- JavaScriptをフロントエンド・バックエンド両方で使える。
Reactとは?|ユーザーインターフェースを作るライブラリ
Reactの基本
- Facebook(現Meta)が開発したJavaScriptライブラリである。
- 「UI(見た目)を効率的に作る」ことに特化している。
- 部品(コンポーネント)を組み合わせてWebアプリを作る仕組みである。
Reactでできること
- 動的でリッチ※なWebアプリ開発。
※従来のWebアプリケーションよりも表現力や操作性が高く、ユーザーにとって使いやすいアプリケーション - 状態管理によるUI更新。(データが変わると画面も自動で更新)
- SPA(シングルページアプリケーション)の開発に最適。
Reactの特徴
- コンポーネント指向 → 再利用しやすい。
- 仮想DOMによる高速なレンダリング。
- 世界中で使われる人気No.1フロントエンドライブラリである。
Node.jsとReactの関係
実際のWebアプリ開発では、この2つを セットで使う ことが多い。
- Node.js側 → APIサーバーを作る。
- React側 → ブラウザでUIを作る。
- 両者はHTTP通信(REST API / GraphQL)でやり取りする。
CDN版Reactとは?
CDN(Content Delivery Network)から提供されるReactのライブラリを読み込んで利用する方法である。
つまり、npmでReactをインストールせずに、以下のようにHTMLで直接読み込む。
<script src="https://unpkg.com/react@18/umd/react.development.js"></script>
<script src="https://unpkg.com/react-dom@18/umd/react-dom.development.js"></script>
<script src="https://unpkg.com/@babel/standalone/babel.min.js"></script>
環境構築不要でReactが使えるのが最大の魅力である。
今回は、「Hello, React」を表示する手順をご紹介しよう。
手順①:PaizaCloudにログインしてサーバを起動
PaizaCloud の公式サイトにアクセスして、「登録無料」をクリックする。

まずは、アカウントを作成する。

「確認メールをabc@def.ne.jpに送信しました。メールに書かれたURLをクリックしてください。」とメッセージが出る。
「PaizaCloud 登録確認メール」を確認して、リンクをクリックする。
新しいブラウザが立ち上がるので、「新しいサーバを作成」をクリックする。

次にプランを選択する。ここでは、「無料プラン」を選択しよう。

「サーバ設定」で「Node.js」を選択して「新規サーバ作成」をクリックする。

手順②:新規HTMLファイルを作成
画面左側に「メニュー」がある。
「新規ファイル作成」をクリックする。

「hello-react.html
」 と入力して「作成」ボタンをクリックする。

手順③:Reactを使うHTMLコードを貼り付ける
作成した「 hello-react.html
」 を開き、以下のコードを貼り付けて保存する。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>Hello React</title>
<script src="https://unpkg.com/react@18/umd/react.development.js"></script>
<script src="https://unpkg.com/react-dom@18/umd/react-dom.development.js"></script>
<script src="https://unpkg.com/@babel/standalone/babel.min.js"></script>
</head>
<body>
<div id="root"></div>
<script type="text/babel">
const App = () => <h1>Hello, React</h1>;
ReactDOM.createRoot(document.getElementById("root")).render(<App />);
</script>
</body>
</html>

手順④:ブラウザでプレビュー
画面左側の「hello-react-html」を右クリックしてメニューを表示させ、「ブラウザで開く」を選択する。

新しいウインドウが開き、ブラウザに「Hello, React」 と表示される。

- PaizaCloud無料プランはnpm容量制限が厳しく、
create-react-app
は動かない。 - 代わりに CDN版React を使えば、HTML一つで簡単に「Hello, React」を表示できる。
- 学習やお試しには十分である。
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