本ブログではこれまでFP2級対策として、テキストと問題集を紹介してきた。筆者は実際にこれらの教材を購入して通読し、受検生の目線でその特徴をお伝えしたのだが、あらためて出版されている数に驚くとともに、FPへの関心の高さが感じられた。
今回は、テキストの比較の2回目をお送りする。
取り上げるテキストは、「’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい ファイナンシャル・プランナーズ・センター)(以下きんざいという)」、「FP2級・AFP 合格のトリセツ 速習テキスト 2022-23年版(東京リーガルマインド LEC)(以下LECという)、そして、「読めばわかる!資格の大原公式 FP2級AFP合格テキスト’22-’23(大原出版)(以下大原という)」である。
テキストの見やすさの比較
「LEC」はオールカラーなのに対して、「きんざい」と「大原」は2色刷りである。先回の比較では3冊すべてがオールカラーだったように、近年のトレンドはオールカラーであるように思われる。確かにオールカラーは見易さでは利があることは認めるが、2色刷りは、けっして見劣りするものではなく、むしろ新鮮に見える。なお、3冊とも、余白、行間、文字の大きさなどは適切で、一ページに情報を無理やり詰め込んだ印象はなく、スムーズに読み通せた。
ページ数の比較
「きんざい」は本体部が475ページ。「大原」は本体部が483ページ。これに対し「LEC」は本体部が578ページとかなりの分量がある。3冊ともなんとか持ち運べるサイズにはなっている。なお、いずれも分冊化には対応していない。
公式に赤シートには対応しているのは、「大原」のみだった。なお、「きんざい」は赤シートは付属していないが、使用は可能である。
問題演習について
「きんざい」は各項目の最後に掲載している「実践Check!」で理解度を確認できる。さらには、章末に「実技試験にチャレンジ」として実技の過去問が掲載されている。
「LEC」は、各項目を学んだ後は「過去問チャレンジ」ですぐに復習できる工夫がされている。
「大原」は「設例」で学習した内容を本試験の問題形式で確認できる。なお、「計算」は実際に電卓で計算してみることをおすすめする。
「実技試験」対応について
「きんざい」は先に書いたように章末に「実技試験にチャレンジ」がある。また、実技試験出題傾向については、「個人資産相談業務」、「生保顧客資産相談業務」、「中小企業主資産相談業務」についてそれぞれ簡潔にまとめられている。
「大原」では、「アイコン」によって「実技」試験の頻出事項が種類ごとに確認できる。
これに対し、「LEC」は「学科」と「実技」のそれぞれの対策に関する情報の記載はなかった。どちらかというと「学科」重視の構成と思われる。
その他の特徴について
「きんざい」は、巻頭に「試験出題傾向」が掲載されているのが目を引く。学科試験出題傾向については、6分野ごとに分けてそれぞれ、「試験範囲」、「範囲の細目」について2019年1月から2022年1月までの出題の有り無しが図表となっている。これによって出題傾向が一目でわかるようになっている。実技試験出題傾向については、先に書いた通りである。また、計算問題対策として、「計算例」を多数収録している。
「LEC」は各章の本文の後に「FP1級ステップアップ講座」が付属している。本書で2級の合格を目指しながら、なんと1級の準備もできる。また、全分野の「講義動画」(全25回分)が、全て「無料」にて提供されている。(動画専用のWEBサイト)
「大原」は「大原の合格ノウハウ満載の2大Web特典付き」である。
特典1として、テキストの中でも重要なポイントを解説したWeb講義を1テーマ約10分、全6回視聴できる。
特典2として、試験によく出る重要な数値を「金額」「期間」「年齢」などの項目ごとにまとめた一覧とテキストに出てくる用語を理解するのにぴったりな用語集をWebで公開している。
いずれも、FP書籍購入特典申込フォームから氏名などを登録することが要件となっている。なお、登録及び閲覧には期限があるので注意したい。
いかがであろうか。この小文がみなさまのテキスト選びの参考となれば幸いである。
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