本稿では、「知的財産管理技能検定」を「知財検定」と称する。
本稿は、「知財検定2級」の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。
拒絶理由通知とは
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。(特許法48条の2)
審査官の審査の結果、拒絶する理由がなければ、特許を認めるという審査結果である「特許査定」を出願人に通知する書類、「特許査定の謄本」が送付される。
一方、審査官は、出願内容に拒絶理由があると判断したときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。(49条)
ただし、審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。(50条)
拒絶理由通知への対応
審査官に対して反論する
拒絶理由通知の内容に納得できない場合は、「意見書」を提出して、意見を述べることができる。(特許法50条)
出願内容を補正する
特許出願をした後に、出願した内容に不備があると気づいた場合や、拒絶理由通知を受けてこれに対応する場合には、「手続補正書」を提出して、一定条件のもとで、明細書等の内容を修正できる。(補正)(特許法17条等)
なお、補正が認められると、補正した内容は出願時に遡って効力を生ずる。
ただし、補正ができる時期や内容については、一定の制限が設けられている。
最初の拒絶理由通知とは
最初の拒絶理由通知とは、原則として、出願人に初めて拒絶理由を指摘するものである。
最初の拒絶理由通知への対応では、「明細書」または「図面」の補正に加えて、明細書全体に記載した範囲からみて新しい要素でなければ、特許請求の範囲の補正をすることができる。(17条の2第3項)
最後の拒絶理由通知とは
最後の拒絶理由通知では、原則として、最初の拒絶理由通知の後に出願人が行った補正に対する拒絶理由のみを通知する。
最後の拒絶理由通知に対応する際には、最初の拒絶理由通知に対する場合と同じ範囲で明細書または図面の補正はできるが、特許請求の範囲については、請求項の削除、誤記の訂正等の限定的な補正しかできない。(17条の2第5項)
出願を分割する
特許出願人は、一定の条件のもと、2以上の発明を包含する特許出願の一部を1又は2以上の新たな特許出願とすることができる。(特許法44条柱書)→ 出願の分割
また、請求項が複数あり、その一つのみが拒絶理由に該当する場合、出願の分割により、拒絶理由のある請求項を切り離せば、残りの部分について早期に特許を受けられる可能性がある。
なお、出願の分割により、新たな特許出願をしようとする場合において、もとの特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面を補正する必要があるときは、もとの特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正は、新たな特許出願と同時にしなければならない。(特許法施行規則30条)
出願を変更する
特許出願は、実用新案登録出願または意匠登録出願に変更できる。(実用新案法10条、意匠法13条)
さらに、出願日から一定期間内であれば、特許出願、実用新案登録および意匠登録出願の相互間で、出願形式を変更できる。(特許法46条)
ただし、商標登録出願に変更することはできない。
(参考)
・「知的財産管理技能検定2級公式テキスト(改訂13版)」 知的財産教育協会 (編集) アップロード
・「知的財産管理技能検定2級完全マスター[改訂7版]1特許法・実用新案法」 アップロード知財教育総合研究所 (編集) アップロード
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