知財検定まとめノート29「著作権法(6)著作権の制限」

スポンサーリンク
著作権 知財検定

著作権者は、著作(財産)権に基づいて、他人が無断で、著作物を使用する行為を禁止することができる。しかし、あらゆる面で禁止すると、多くの人の社会生活に不都合が生ずるおそれがある。

そこで、社会全体の利益と、権利者の利益の双方を比較考量して、一定の場合は、著作権者の権利を制限することとしている。

私的使用のための複製

著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(私的使用)を目的とするときは、一定の場合を除き、その使用する者が複製することができる。(著作権法30条)

ただし、著作権を侵害する自動公衆送信(インターネットを通じた通信で国内外からを問わずに違法にアップロードされた音楽や映像のこと)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画(特定侵害録音録画)(ダウンロードすること)を、それであることを知りながら行う場合は、たとえ私的使用目的であっても、複製権の侵害になる。(著作権法30条1項3号)

さらに、音楽や映像に限らず、著作権全般についても、著作権を侵害する自動公衆送信(インターネットを通じた通信で国内外からを問わずに違法にアップロードされた著作物のこと)を受信して行うデジタル方式の複製(特定侵害複製)(ダウンロードすること)を、それであることを知りながら行う場合も複製権の侵害になる。なお、当該著作権に係る著作物のうち当該複製がされる部分の占める割合、当該部分が自動公衆送信される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものを除く。(著作権法30条1項4号)

引用

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。(著作権法32条)

公正な慣行合致」とは、引用の必然性があることである。

なお、引用する場合、著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。(著作権法48条)

その他

  • いわゆる「写りこみ」(付随対象著作物の利用)等(著作権法30条の2~30条の4)
  • 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製し、若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行い、又は公表された著作物であって公衆送信されるものを受信装置を用いて公に伝達することができる。(著作権法35条)
  • 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。(著作権法38条)
  • 美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。(著作権法45条)
  • プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。(バックアップコピー)(著作権法47条の3)
  • 電子計算機における利用(情報通信の技術を利用する方法による利用を含む。)に供される著作物は、一定の場合に当該著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。(著作権法47条の4)

これらの場合も、著作権者の許諾なく行うことができる。

(参考)
23~’24年版 知的財産管理技能検定®3級 テキスト&過去問題集  宇田川貴央 (著) 秀和システム
知的財産管理技能検定3級公式テキスト[改訂14版]  知的財産教育協会 (編集) アップロード

コメント

タイトルとURLをコピーしました