さて、本ブログでは、FP受検対策として、様々なテキストなどをご紹介している。ブログの執筆に際して、テキストを集めてみたところ、予想以上の数が発行されていることを知りとても驚いた。筆者がFPを受検したのは今から8年ほど前にはなるが、これほどたくさんの書籍はなかったと思う。やはり「お金」の問題は人生の問題。関心の高さがうかがえる。FPの資格をおすすめしてきたのもあながち的外れではないことが確認できて少しホッとしている。
今回ご紹介するのは、「スッキリわかる FP技能士2級・AFP 2022-2023年(TAC出版)」である。以下「スッキリ」という。
TAC出版からは、本ブログで先にご紹介した、「みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFP」(以下「みん欲し」という)が存在する。同じ出版社から2種類の書籍を出す意味とは何かという点についても考えてみたい。
スッキリわかる FP技能士2級・AFP 2022-2023年
まずは、総ページ数について。本体部が481ページ。ちなみに「みん欲し」は592ページ。そして、2分冊対応。「スッキリ」はコンパクトに仕上がっている。
問題演習について。「みん欲し」では確認用の問題はあるのだが、基本は別売りの「問題集」との併用が推奨されている。これに対して、「スッキリ」ではこの一冊で問題集にも対応している。
本編は2色刷りで、赤シートに対応している。「みん欲し」がフルカラーなのとは対照的である。このあたりは個人で好みが分かれるところではあるが、筆者は、カラーにこだわるよりも文字の大きさ、行間、余白などに注意を払って読みやすくしてもらえば十分だと考えている。この点「スッキリ」の文字の大きさ、行間、余白は及第点である。
章立ては6分野に対応して、6章と、実技試験対策として、試験実施団体の(社)金融財政事情研究会( 金財)の「個人資産相談業務」と「生保顧客資産相談業務」及び日本FP協会の「資産設計提案業務」に対応しており、プラス3章で計9章となっている。
各章のトビラ部分には、「学習の全体像」として学習のポイントが掲載されている。続いて「頻出論点Best5」として、ランキング方式でよく出る論点が一目でわかるようになっている。
本文の最初には、「.絶対読め! 30秒レクチャー」があり、学習内容のポイントがわかる工夫がされている。続いて、「ナナメ読み! 学習のポイント」で学習内容が説明され、すぐに、「問題演習」となる。なお、出題は過去問からとなっている。
「“試験に出る内容だけ”が載っているテキスト+基本問題+動画で最短合格へ!! 」というキャッチフレーズもうなずける。
書籍の巻頭では「改正ポイント」をフルカラーで掲載している。実際に改正点が問われることもあるので、まとめてあるのは非常に便利でありがたい。「スッキリ」でも2022年4月1日現在の法令に基づいている。
その他の特徴としては、本書巻末には、「試験2日前の学習スタート」でも大逆転を狙えるという袋とじが付属している。また、「講義動画」視聴サービスがあるので、「公的年金」など読んだだけではわかりにくい論点も確認できる。
頻出論点に絞って学習して、効率重視で最短合格を目指すのが「スッキリ」であり、「ベースからしっかり理解 」し「上位級まで目指したい 」なら「みん欲し」という選択になるだろう。
いかがであろうか。この小文がみなさまのテキスト選びの参考となれば幸いである。
コメント