本稿では、「知的財産管理技能検定」を「知財検定」と称する。
筆者は、昨日(2023年11月18日)、「知財検定3級」を受検した。その体験をリポートしてみよう。これから本試験の受検をお考えの方に少しでもお役に立てれば幸いである。
知財検定試験3級とは
知財検定は1級から3級まであり、各級とも学科試験と実技試験により行われる。
このうち、3級では学科試験と実技試験の両方の試験に合格すると、三級知的財産管理技能士(管理業務)となることができる。(国家資格)
等級 | 試験種 | 試験形式 | 問題数 | 制限時間 | 試験問題冊子 |
3級 | 学科試験 | 筆記試験 (マークシート方式 3肢択一式) | 30問 | 45分 | 持ち帰り可 |
実技試験 | 筆記試験 (記述方式・マークシート方式併用) | 30問 | 45分 | 持ち帰り可 |
試験会場のようす
試験会場は駅前の資格の学校の教室であった。ただ、駅前とはいえ、少し歩く必要があった。当日迷わないように事前に道順を確認しておくと安心である。
通された教室は、40名弱が入れる大きさであった。机はそれぞれが独立していて、隣席の人を気遣う必要がないのはありがたい。ただ、サイズは小さめなので、鉛筆3本、消しゴム2個、腕時計、受検票を置き、さらに配布される問題文と解答用紙で、スペースの余裕はなかった。
荷物は足元に置くように指示があった。このような場合、自立するビジネスバックが重宝する。
空調、照明もしっかりとしていて安心して試験問題に集中できた。
実施される資格試験によって、その対応はまちまちだが、この「知財検定」によらず、試験会場には早めに到着することをおすすめしたい。何より、安心感が違うのである。今回は、早めに教室にも入れたので、テキストでしっかりと復習できた。
最初は、「学科試験」である。準備をしっかりとしておけば、20分ほどで解答できるだろう。
要注意は、問題文の指示である。「不適切」を解答させるものと「適切」を解答させるものが混在している。問題文をしっかり読まないと、うっかりして逆の解答をマークしてしまいかねない。
筆者もうっかりしていて見直しで気づいて事なきを得た。
しばしの休憩時間を挟んですぐに「実技試験」となる。これも20分ほどで解答できた。
このインターバルはトイレを済ます以外には時間がない。だからこそ復習するなら、早めに会場に到着することが大切になる。
学科、実技とも難易度は、例年通りといえるだろう。ちなみに合格基準は、3級の場合、学科、実技とも「満点の70%以上」となっている。ただ、学科の方が難易度は高めだった。
本試験は合格率が高いことで知られているが、実際に受けてみて、どれだけ準備してきたかで差が出る試験だと改めて感じた。特に法律を扱っているので、用語の定義はしっかりと確認しておきたい。頻出論点はできれば諳んじたい。
例えば、今回も、著作権法の目的が、条文そのまま穴埋め問題で出題された。
著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。(著作権法第1条)
赤字になったところを穴埋めるわけだが、選択肢に「著作者」と「著作権者」があって迷わせるものとなっていた。もちろん、日頃から用語に注意しておけば、難なく解答できただろう。
しかし、迷ったときは、「原点回帰」である。著作権法って誰のため?それは「著作者」のためである。「著作者」がなんらかの権利を持つから「著作権者」になるだけと考えれば解答できたのではないだろうか。
勉強法
最後に筆者の勉強法についてもご紹介しておこう。
筆者の勉強期間は約3か月間だった。まずは勉強スケジュールについてご紹介する。
1ヶ月目・・・知財検定は初心者なので、とにかく知識を得ないと試験勉強が始まらない。筆者は前から本ブログでご紹介している「知的財産管理技能検定3級公式テキスト」をとにかく読み込んだ。ここで大切なのは、一回ですべてを理解しようとしないこと。なんとなく頭に入っていればOKという精神で、とにかく繰り返した。
2か月目・・・一通り「知的財産管理技能検定3級公式テキスト」を読んだ筆者は、次に「知的財産管理技能検定3級厳選過去問題集」で過去問に取り組んだ。
ここでのポイントはとにかく問題にたくさん触れること。初めて見る問題ばかりなので間違えて当然である。あまり悩まずに問題をスピーディーに解いていき、解説をしっかりと読むことが大切である。
併せて「知的財産管理技能検定3級公式テキスト」を一日一項目を目安に読んでいった。
3か月目・・・この期間は「知的財産管理技能検定3級厳選過去問題集」を繰り返し解いていった。
プライベートでバタバタして、勉強が十分できない日もあったが、あまり気にせず、できる日にコツコツと問題を解くことが大切である。
試験一週間前・・・この期間は苦手な「学科」を重点的に「知的財産管理技能検定3級厳選過去問題集」に取り組んだ。さらに、「3級 模擬テスト」を時間を測って解いた。
筆者の経験から、教材は絞り込んで繰り返すことが大切だと思う。そして、一つひとつの用語の意味をしっかりつかんでいくことであろう。ご参考になれば幸いである。
気になる自己採点の結果については、まずまずの出来であった。ちなみに、試験結果は2024年1月4日(木)に通知予定とのことである。
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