松井 優征先生の人気漫画、「逃げ上手の若君」。2024年7月、この作品のアニメ放送が開始された。
この作品は、「北条時行」が主人公である。
彼が大きく関わったのが、「中先代の乱」である。
そして、今回ご紹介するのが、「中先代の乱-北条時行、鎌倉幕府再興の夢 鈴木由美(著)中公新書 以下本書という。」である。
中先代の乱-北条時行、鎌倉幕府再興の夢
本書の特徴は以下の通りである。
建武2年(1335)7月、信濃で北条高時の遺児時行が挙兵した。破竹の勢いで鎌倉を落とした彼らの動きに、時の政権は戦慄する。後醍醐天皇、足利尊氏、護良親王など多くのキーマンの運命を変えた反乱の内実を読み解き、その歴史的位置づけを示す。
Amazonの本書の紹介ページ
歴史として後世に残されるものは、ほとんどが、勝者の手によるものである。
そして、敗者については、「〰︎の乱」として扱われる。
鎌倉幕府は源頼朝によって開かれた。その後、その実権は北条氏に移った。その北条氏を裏切り、鎌倉幕府を倒したのが、「足利尊氏」となる。
勝者である「尊氏」から見れば、時行らの武装蜂起は「中先代の乱」となるのである。
ちなみに、「中先代」とは、北条氏を「先代」、足利氏を「当御代」と呼び、その中間にあたる時行を「中先代」と称したと考えられる。(本書より)
しかし、尊氏は絶対的な勝者とはなり得ず、この中先代の乱を契機に歴史は「南北朝時代」へと動き出す。
時流に抗い続けた人々の軌跡。それは、後世の我々を惹きつける何かがある。
漫画、アニメと共に本書にもふれていただき、中世日本に想いを馳せてみてはいかがだろう。
コメント