本ブログでは、2022年現在、入手し易いと思われるC言語入門のテキストで、発行が比較的新しいものから筆者が選書して、ご紹介している。
今回ご紹介するのは、「C言語[完全]入門(松浦 健一郎・司 ゆき著、SBクリエイティブ刊 (2022/6/21))以下本書という」
C言語[完全]入門
本書のページ総数は、 688ページ。かなりの分量がある。サイズはA5判である。これまで紹介してきた、「新・明解C言語 入門編 第2版(柴田望洋著、SBクリエイティブ刊)」や「「C言語 新版: ゼロからはじめるプログラミング(三谷純著、翔泳社刊)」より一回り小ぶりである。その前にご紹介した、「スッキリわかるC言語入門 第2版(中山清喬ほか著、インプレス刊)」と同サイズである。
本書の特徴は、極力易しく、詳しく、丁寧な説明ということになるだろう。分量があるのはそのためだが、意外にもスムーズに読み進めることができる。
特に、基本的な文法についてわかりやすく、詳しく説明している。すぐに使える書き方のパターンを紹介しつつ、内部の仕組みにまで踏み込んで説明している。
単に文法を覚えるだけでなく、自信をもってプログラミングできるようになることを狙っている。
基礎編
Chapter1 C言語を学ぶための準備
Chapter2 Cプログラミングを始めよう
Chapter3 まずは書いた値をそのまま出力しよう
Chapter4 Cプログラミングの醍醐味は式の計算
Chapter5 後で必要な値は変数に格納しておく
Chapter6 選択文でプログラムの流れを変える
Chapter7 繰り返し文で処理を反復する
Chapter8 配列を使って多数の値を管理する
Chapter9 文字と文字列を操作する
応用編
Chapter10 何度も使う処理は関数にまとめる
Chapter11 関数をさらに使いこなす
Chapter12 構造体で関連する値を一括して扱う
Chapter13 ポインタはアドレスを使って対象を指し示す
Chapter14 ポインタでメモリを自在に操作する
Chapter15 ファイルを読み書きする
Chapter16 プログラムを分割する
実践編
Chapter17 仕事の自動化に役立つプログラムを作る
Chapter18 ゼロからのプログラミングでAIの仕組みを学ぶ
Chapter19 インタラクティブなプログラムを作る
本書は、基礎編・応用編・実践編から構成される。このうち、基礎編と応用編では、C言語の文法やライブラリについて解説している。Cの言語仕様については、執筆時点の最新のC17に対応し、次世代のC23についての言及もある。
実践編では、基礎編と応用編で学んだ知識を活用して、実用的なプログラムを開発するための手法を解説している。
かなり読み応えのあるボリュームと内容が盛り込まれた本書は、それでいて、非常に読みやすい。これまでⅭ言語の書籍で独学してきた筆者は、知識の確認ができるとともに、新たな発見もできる本書を、今では常に手元に置いて参照している。
類書でひと通りⅭ言語を学んだ方であっても、大いに役立つことだろう。
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