民法を学ぼう!「離婚の方法(2)調停離婚・審判離婚」

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司法・法務

調停離婚

夫婦間の離婚の協議が調わない場合は、770条1項に掲げられた離婚原因があるときは、離婚を望む一方は、他方を被告として家庭裁判所に離婚の訴えを提起できる。

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(略)
(民法・e-Gov法令検索)

もっとも、家事事件手続法上、まずは、家庭裁判所に調停を申し立てなければならない。

(調停前置主義)
第257条 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
(略)
(家事事件手続法・e-Gov)

話し合いの結果、夫婦間に離婚の合意が成立した場合、その旨が調書に記載される。

これによって、調停が成立し、その記載は、離婚の確定判決と同一の効力を有する。

(調停の成立及び効力)
第268条 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決(別表第二に掲げる事項にあっては、確定した第三十九条の規定による審判)と同一の効力を有する。
(略)
(家事事件手続法・e-Gov)

これを調停離婚という。

審判離婚

調停手続において、夫婦間に離婚の合意が成立しない場合は、調停不成立となり、手続が終了する。

(調停の不成立の場合の事件の終了)
第272条 調停委員会は、当事者間に合意(第二百七十七条第一項第一号の合意を含む。)が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。
(略)
(家事事件手続法・e-Gov)

しかし、家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(調停に代わる審判)をすることができる。

これを審判離婚という。

(調停に代わる審判の対象及び要件)
第284条 家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。ただし、第二百七十七条第一項に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。
2家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、調停に代わる審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。
(略)
(家事事件手続法・e-Gov)

参考)家族法[第4版]NBS (日評ベーシック・シリーズ)日本評論社

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