民法を学ぼう!「婚姻の一般的効果・同居義務」

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司法・法務

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。(民法752条)

民法は、夫婦の同居、協力および扶助の義務を定めている。
この義務は、夫婦間の最も本質的な義務であり、夫婦の合意によって排除することは許されない。

なお、同居義務と協力義務は、強制力をもって義務者にこれを履行させることは認められない。

債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。(414条)

同居義務

夫婦は、同じ住まいにおいて、共同生活を営む義務を負う。
このように夫婦間に同居義務があるいうことは、夫婦は互いに相手方に対して同居を求める権利を有しているということである。
ここから、配偶者の居住権限や共同生活に欠かせない動産類の利用権限が説明できる。

夫婦の一方が単身赴任せざるを得ない場合など、円満な婚姻関係を維持する目的で、一定期間同居しない旨の取り決めは許される。
ただし、752条に基づく抽象的な義務が消えるわけではない。

夫婦間で同居を巡る争いが生じた場合には、家庭裁判所における家事審判または家事調停の手続きにおいて解決をはかることになる。

具体的な同居義務の有無については、婚姻関係の維持・向上という、より大きな視野から弾力性のある判断がなされる。

なお、夫婦の一方が正当な理由なく同居義務を履行しない場合には、悪意の遺棄として、離婚原因となる。

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
(略)
民法・e-Gov法令検索

参考)家族法[第4版]NBS (日評ベーシック・シリーズ)日本評論社

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