結納とは
結納とは、金品の受け渡しを行う伝統的な婚約の儀式です。以前は仲人が仕切ることが多かったのですが、最近は仲人がいないため、両家の親とふたりが出席して行うのが一般的です。男性側の親が結納品を持参し、口上を述べて進行します。
結納を行う場所の設定や予約は、かつては女性側の親が行っていましたが、最近ではふたりが主体的に準備することも多くなっています。結納を済ませた後には、両家で会食をすることが一般的です。
(ゼクシィのWebサイト)
ところで、婚約が解消され、婚姻が成立しなかった場合には結納品の返還が争われることがある。
当事者間で解決を図ることができない場合は、どのような法的解決がなされるのだろうか。
結納の法的性質
判例は、
結納は、婚約の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与であるから、本件の如く挙式後八ヵ月余も夫婦生活を続け、その間婚姻の届出も完了し、法律上の婚姻が成立した場合においては、すでに結納授受の目的を達したのであつて、たとい、その後結納の受領者たる被上告人からの申出により協議離婚をするに至つたとしても、被上告人には右結納を返還すべき義務はないと解すべきであり、これと異なる慣習の存在することを認むべき資料もないから、上告人の結納金返還の請求は失当であると判断したのであつて、原審の右判断は正当である。(最判昭和39.9.4 民集 第18巻7号1394頁)
としている。
(参考)家族法[第4版]NBS (日評ベーシック・シリーズ)日本評論社
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