これから始めるなら「英語の学び直し」がおすすめである。
今回は、傑作イギリス小説の原文を味わいながら、英語を学習できる書籍をご紹介しよう。
「名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作 斎藤 兆史、 髙橋 和子 (著) NHK出版 以下本書という。」である。
名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作
本書の特徴は以下の通りである。
あの傑作小説の英文を通じて、文学作品を味わい尽くすための本質的な読解力をみがく!
北村一真氏(杏林大学准教授)推薦!
「丁寧な文法解説から言葉の裏側に潜む意味までを取り上げた王道の一冊です」オースティン『高慢と偏見』、ブロンテ『嵐が丘』、モーム『人間の絆』、イシグロ『日の名残り』――。名前は知っているあの傑作小説を、名場面の優れた英文と濃密な文法解説を通してじっくり精読。英文学・文体論の専門家による英文の裏側にある意図にまで踏み込んだ解釈によって、作品の内容を余すとこなく味わうことができます。文学作品を心から楽しむための、本質的な英文読解力をみがくことのできる画期的な1冊。
はじめに
Amazonの本書の紹介ページ
各章の構成
Lesson 1 ジェイン・オースティン 『高慢と偏見』
Lesson 2 チャールズ・ディケンズ 『オリヴァー・トゥイスト』
Lesson 3 シャーロット・ブロンテ 『ジェイン・エア』
Lesson 4 エミリー・ブロンテ 『嵐が丘』
Lesson 5 トマス・ハーディ 『ダーバヴィル家のテス』
Lesson 6 ジョウゼフ・コンラッド 『闇の奥』
Lesson 7 サマセット・モーム 『人間の絆』
Lesson 8 E.M.フォースター 『インドへの道』
Lesson 9 ヴァージニア・ウルフ 『ダロウェイ夫人』
Lesson 10 カズオ・イシグロ 『日の名残り』
おわりに
本書の作品と場面の設定は、2010年にNHKの教育テレビ(Eテレ)で放送(2012年に再放送)された「聴く読むわかる!英文学の名作名場面」のテキストが下地になっているとのこと。
英語学習において、効果的なものの一つが、英語文学の精読である。
正統的な英語学習法であるが、日本人の英会話能力の低さが英文学の訳読をしていたからではないかとの誤解から、一時は実践されることも少なくなっていた。
ただし、最近は英語教材としての英文学の価値が見直されてきている。
本書は、イギリス小説を題材にしている。もっとも、教材として、必ずしもイギリス小説である必要はない。それでも、筆者がこのタイトルに惹かれたのは、最初に、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」が掲載されていることにほかならない。
実は筆者は「高慢と偏見(pride and prejudice)」のタイトルはよく知っているものの、原書を読んだことがない。
母国イギリスでは肖像画が紙幣になるほど国民的な小説家である。本作はジェインの代表作あり、イギリス小説の「偉大なる伝統」の中心に位置する。
映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の元ネタになったことでも有名である。
初版から210年たった今も世界中で愛されているのである。
他にも、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」、サマセット・モームの「人間の絆」など、教養として身につけておきたい傑作ばかりが紹介されている。
本書で、英語学習の幅を広げ、質を高めてみてはいかがだろう。
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