本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」と称する。
本稿は、「マンション管理士試験」の出題範囲のうち、区分所有法の頻出論点をまとめたものである。
用語の定義
区分所有権
「区分所有権」とは、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができる部分(規約により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。(区分所有法2条1項)
区分所有者
「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。(区分所有法2条2項)
占有者
区分所有者以外の専有部分の占有者をいう。(区分所有法6条3項)
賃借人等のことである。
専有部分
「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。(区分所有法2条3項)
各自の部屋のことである。
共用部分
「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び規約により共用部分とされた附属の建物をいう。(区分所有法2条4項)
- 専有部分以外の建物の部分
- 専有部分に属しない建物の附属物
- 規約により共用部分とされた附属の建物
共用部分は上記の3つである。マンションでは、専有部分以外の建物の部分はすべて共用部分であり、それ以外の部分は「ない」ことになる。
建物の敷地
「建物の敷地」とは、建物が所在する土地(法定敷地)及び規約により建物の敷地とされた土地(規約敷地)をいう。(区分所有法2条5項)
敷地利用権
「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。(区分所有法2条6項)
これらは、所有権、地上権、賃借権、使用借権などである。
- 敷地利用権は専有部分を所有するための権利であり、共用部分を所有するための権利は含まれない。
- 不動産登記法では、登記された敷地利用権を「敷地権」という。所有権、地上権、賃借権は登記できるので敷地権になる。
(参考)
らくらくわかる! マンション管理士 速習テキスト 2023年度(TAC出版)
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