本ブログでは、多くの資格試験で出題されることが多い民法をテーマのひとつとして取り上げている。
民法の知識は、資格試験だけでなく、日々の暮らしにも役立つものである。
今回ご紹介するのは、「判例講義民法Ⅰ 総則・物権 第3版 佐久間 毅、 松岡 久和(編集)(勁草書房) 以下本書という」である。
判例講義民法Ⅰ 総則・物権 第3版
本書の特徴は以下の通りである。
各ブロックを同一執筆者担当により理論的一貫性保持、一判例の構成建てを細分化し意味を把握し判例法理に位置づける。
学習者目線に立って、関係図を書き、事案を一審からの経緯で理解し、当該判例の意味を(学説に拘泥することなく)把握し、各ブロックを同一執筆者担当により理論的一貫性保持、一判例の構成建て(事実の要約、裁判の流れ、判旨、判例の法理、判例を読む)でその意味を把握し判例法理に位置づける。
【目次】
〔第3版〕発刊にあたって[佐久間毅・松岡久和]
本書を利用した「マルチ判例学習法」[池田真朗・佐久間毅・松岡久和]
判例および判例評釈等へのアクセス(民事関係)総則
Chapter 1 一般条項
信義則[西内康人]
権利の濫用[西内康人]Chapter 2 人[鶴藤倫道]
Chapter 3 法人
法人の能力[後藤元伸]
権利能力のない社団[佐久間毅]
法人格の否認[佐久間毅]Chapter 4 物[佐久間毅]
Chapter 5 法律行為
総則[山下純司・竹中悟人]
意思表示[大中有信]
代理[西内康人・野々上敬介・岩藤美智子]
無効および取消し[尾島茂樹]
条件および期限[尾島茂樹]Chapter 6 時効
時効の援用[齋藤由起]
時効の更新・完成猶予[大久保邦彦]
取得時効・消滅時効[原田昌和]物権
Chapter 1 総則
物権的請求権[田中康博]
物権法定主義[田中康博]
意思主義[田中康博]
登記を要する物権変動[石田 剛]
民法177条の第三者[松岡久和]
明認方法[七戸克彦]
民法94条2項の類推適用[武川幸嗣]
明認方法[藤澤治奈]
動産の物権変動と即時取得[藤澤治奈]Chapter 2 占有権[石口 修]
Chapter 3 所有権
所有権の限界[秋山靖浩]
所有権の取得[神田英明]
共有[鎌野邦樹]Chapter 4 地役権[田中康博]
Chapter 5 入会権[関 武志]
Chapter 6 留置権[関 武志]
Chapter 7 先取特権[鳥山泰志・占部洋之]
Chapter 8 抵当権
総 則[鳥山泰志・占部洋之]
抵当権の効力の及ぶ範囲[占部洋之]
法定地上権[山野目章夫]
共同抵当[山野目章夫]
抵当権の消滅[鳥山泰志]Chapter 9 譲渡担保
特定財産の譲渡担保[池田雅則]
流動財産譲渡担保[古積健三郎]Chapter 10 所有権留保・代理受領[古積健三郎・田中博康]
判例索引
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編者・執筆者紹介
資格試験対策としては、とかく、判例・通説の結論のみを暗記しがちである。
試験合格のためにやむを得ない面もあるが、民法学習の面白さは、判例学習にあると言っても過言ではないだろう。
時には、試験対策から離れて、重要判例を読み解いてはいかがだろう。
そこには、新たな発見があるかもしれない。
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