新・登録販売者試験まとめノート(31)「第2章 人体の働きと医薬品 I 人体の構造と働き(13)」

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I 人体の構造と働き(13)

4 脳や神経系の働き

2)末梢神経系

脳や脊髄から体の各部へと伸びている末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、消化管の運動や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。

自律神経系の働き
自律神経系は、交感神経系副交感神経系からなる。概ね、交感神経系は体が闘争恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が食事休憩等の安息状態となるように働く。

効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)に対して、交感神経系と副交感神経系の二つの神経系が支配している(自律神経系の二重支配)。通常、交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して、効果器を制御している。 効果器に伸びる自律神経は、節前線維と節後線維からできている。
交感神経と副交感神経は、効果器でそれぞれの神経線維の末端から神経伝達物質と呼ばれる生体物質を放出し、効果器を作動させている。交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンであり、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンである。
ただし、汗腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出される。

医薬品の成分が体内で薬効又は副作用をもたらす際も、自律神経系への作用や影響が重要である。効果器に対してアドレナリン様の作用を有する成分をアドレナリン作動成分、アセチルコリン様の作用を有する成分をコリン作動成分という。それらと逆に、神経伝達物質であるアドレナリンの働きを抑える作用(抗アドレナリン作用)を有する成分を抗アドレナリン成分、アセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)を有する成分を抗コリン成分という。

効果器交感神経系副交感神経系
瞳孔散大瞳孔収縮
唾液腺少量の粘性の高い唾液を分泌こう唾液分泌亢進
心臓心拍数増加心拍数減少
末梢血管収縮(→血圧上昇拡張(→血圧降下
気管、気管支拡張収縮
血管の収縮胃液分泌亢進
運動低下運動亢進
肝臓グリコーゲンの分解(ブドウ糖の放出)グリコーゲンの合成
皮膚立毛筋収縮
汗腺こう発汗亢進
膀胱ぼうこう排尿筋の弛緩(→排尿抑制)排尿筋の収縮(→排尿促進)

参考
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター

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