民法を学ぼう!「 占有権(4)占有の訴え(3)占有の訴えの種類(2)占有保持の訴え」

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司法・法務

占有保持の訴え

Aの占有する甲土地にBが勝手に廃棄物を捨てたというように、占有者Aが、占有侵奪以外の方法で占有を妨害されているとき、侵害者Bに対して妨害の停止 (侵害の除去、原状回復) および損害賠償を請求できる。 これを占有保持の訴えという(198条)。

(占有保持の訴え)
第198条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

占有の妨害

占有保持の訴えには、占有の妨害が必要である。 占有保持の訴えで問題となる妨害は、主に不動産に対するものである。

相手方

Aの占有する甲土地に、勝手に乙看板を設置したBが、乙をCに譲渡した場 合、AはBに対して妨害の停止を求められないが、Cに対しては求められる。同様の事例で、BがCに乙を賃貸した場合、AはBにもCにも妨害の停止を求められる。

損害賠償

占有保持の訴えによって、占有者は妨害の停止だけでなく、損害賠償を請求することもできる。
そのためには、不法行為(709条)要件を満たす必要があるので、相手方の故意過失などを立証する必要がある。妨害の停止だけを請求するのであれば、手方の故意・過失を立証する必要はない。

提訴期間

占有保持の訴えは、妨害が存在する間またはその消滅した後1年以内に提起しなければならない (201条1項本文)。その理由は、占有回収の訴えと同じく、迅速な権利行使がなされないと、新たな占有状態が尊重されるからである。ただし、工事により占有物に損害が生じた場合、その工事に着手した時から1年を経過し、またはその工事が完成したときは、訴えを提起できない(同ただし書)。工事によって継続的に行使された事実的な支配は、占有として尊重されるべきとされるからである。

(占有の訴えの提起期間)
第201条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。

参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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