添付の効果
添付により生じた新たな物の所有者は、当事者間に合意があればそれに従い、合意がなければ、上述の民法のルールに従って定まる。 添付の規定によって、物の所有権が消滅したときは、物の上に存在した他の権利も消滅する(247条1項)。権利の客体がなくなるからである。
(付合、混和又は加工の効果)
第二百四十七条 第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。
2 前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。
(民法・e-GOV法令検索)
AがBに布地を売却し引渡しをしたが、Bからの代金支払がなされておらず、Aが動産売買先取特権 (321条) を有しているとしよう。 この布地をCが加工して洋服を作り上げ、Bの布地に対する所有権が消滅してしまった。このとき、BはCに対して、償金請求権を有する。Aは動産売買先取特権に基づき、Bの償金請求権に対して、物上代位することができる (304条)。
(動産売買の先取特権)
第三百二十一条 動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。
(民法・e-GOV法令検索)
(物上代位)
第三百四条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
(民法・e-GOV法令検索)
逆に、添付の規定によって、合成物・混和物・加工物に対して所有権が認められたときは、元の物の上に存在した権利は、合成物等の上に存続する (247条1項)。添付によって、合成物等の共有者となったときは、元の物の上に存する権利は、合成物等に対する共有持分権の上に存続する(247条2項)。
(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社


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