FPの試験は、以下の6分野から出題される。
A.ライフプランニングと資金計画
B.リスク管理
C.金融資産運用
D.タックスプランニング
E. 不動産
F.相続・事業承継
今回は、「金融資産運用」の問題に挑戦しよう!
下記<A社のデータ>に基づき算出されるA社株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
<A社のデータ>
株価 | 3,000円 |
経常利益 | 250億円 |
当期純利益 | 150億円 |
自己資本(=純資産) | 600億円 |
総資産 | 1,500億円 |
発行済株式数 | 1.5億株 |
配当金総額 | 90億円 |
1 PER(株価収益率)は30.0倍である。
2 PBR(株価純資産倍率)は7.5倍である。
3 ROE(自己資本当期純利益率)は、40.0%である。
4 配当性向は、60.0%である。
(2020年1月)
正解:3
それでは問題を検討していこう。
1 正しい。
株価収益率(倍)(PER)とは
株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。
株価収益率(倍)(PER) = $\frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$
問題に当てはめて計算すると、
1株あたり当期純利益(EPS) = $\frac{当期純利益}{発行済株式数}$なので、
1株あたり当期純利益(EPS) = $\frac{150億円}{1.5億株}$ = 100円
株価収益率(倍)(PER) = $\frac{3,000円{100円}$ = 30倍
2 正しい。
株価純資産倍率(PBR)とは
株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。
株価純資産倍率(倍)(PBR) = $\frac{株価}{1株あたり純資産(BPS)}$
問題に当てはめて計算すると、
1株あたり純資産(BPS)= $\frac{純資産}{発行済株式数}$ なので、
1株あたり純資産(BPS)= $\frac{600億円}{1.5億株数}$ = 400円
株価純資産倍率(倍)(PBR) = $\frac{3,000円}{400円}$ = 7.5倍
3 誤り。
自己資本利益率(ROE)とは
自己資本を使ってどれだけ最終利益を上げているのかを見る指標。その会社の収益力を表す。
自己資本利益率(%)(ROE) = $\frac{当期純利益}{自己資本}×100$
問題に当てはめて計算すると、
自己資本利益率(%)(ROE) = $\frac{150億円}{600億円}×100$ = 25%
4 正しい。
配当性向とは
配当金を当期純利益で割ることで求められる指標で、利益のうち、株主に還元した割合がわかる。
配当性向(%) = $\frac{配当金}{当期純利益}×100$
問題に当てはめて計算すると、
配当性向(%) = $\frac{90億円}{150億円}×100$ = 60%
コメント