知財検定2級まとめノート15「特許法(15)特許権の侵害と救済(1)」

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発明 知財検定

本稿では、「知的財産管理技能検定」を「知財検定」と称する。

本稿は、「知財検定2級」の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。

直接侵害

(特許権の効力)
第68条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

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特許権の侵害とは、正当な権限なき第三者が、業として特許発明を実施することをいう。

特許発明の技術的範囲に属する製品を、無断で、生産使用譲渡等輸出輸入譲渡等の申出をしたり、方法を使用したりすることである。これらの行為を直接侵害という。
ただし、個人的、家庭的に使用している場合は、特許権の侵害とはならない。

なお、日本の特許権の効力は外国に及ばない。

関節侵害

関節侵害とは、特許発明の構成要素のすべてを実施していないため直接侵害に該当しなくても、その特許発明の一部の構成要素を実施していることから、特許権の侵害とみなされる行為である。(特許法101条)

特許権を行使できない場合

先に出願された他人の特許権を利用して創られた発明を、「利用発明」という。利用発明についても、要件を満たしていれば、特許権を取得することが可能である。ただし、自分の発明を実施する場合は、先願の特許権者から許諾を得なければならない。

なお、特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。(特許法69条1項)

特許権が侵害された場合の対応

他人の無断実施をやめさせる

侵害製品が特許発明の技術的範囲に属していなければ、特許権侵害を主張できない。
まず、真に侵害しているかを確認し、侵害が明らかな場合は、特許権侵害を気づかせるため、警告書を送る。
警告後も侵害をやめないなら、「差止請求」が考えられる。

特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。(特許法100条)

損害賠償を請求する

 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。(民法709条)

特許法では、損害賠償として、請求できる額は、最低でライセンス料相当額とされている。
特許権侵害があったことを前提に、侵害者との間で交渉した場合に決まるであろう額を考慮することもできる。また、侵害者の利益額を証明できれば、その額を請求できる規定も設けられている。(特許法102条)

一般に損害賠償請求する場合は、請求者が相手方の故意または過失を立証する必要があるが、特許法においては、相手方(侵害者)に過失があったものと推定する規定がある(103条)ため、侵害者が損害賠償請求を免れるには、自己に過失がないことを証明しなければならない。

不当利得返還請求

(不当利得の返還義務)
第703条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

(悪意の受益者の返還義務等)
第704条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

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不当利得返還請求とは、法律上の原因なく、他人の財産等によって利益を受けた者に対し、自己が受けた損失を限度に、その利益の返還を請求するこという。(民法703条、704条)

(参考)
・「知的財産管理技能検定2級公式テキスト(改訂13版)」 知的財産教育協会 (編集) アップロード
・「知的財産管理技能検定2級完全マスター[改訂7版]1特許法・実用新案法」 アップロード知財教育総合研究所 (編集) アップロード

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