知財検定まとめノート③「特許法(3)新規性と進歩性」

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特許 知財検定

新規性と進歩性

特許要件

特許要件とは、発明が、①産業上利用できる発明であること(産業上の利用可能性)、②新しいものであること(新規性)、③容易に考え出すことができないこと(進歩性)、④先に出願されていないこと(先願)、⑤公序良俗を害さないこと、という要件のことである。

新規性

ある発明について、特許出願をしようとする場合、その特許出願前に、日本国内または外国において、次の3つのいずれかに該当する発明は、新規性がないと判断され、特許を受けることができない。

  • 公然と知られた発明(公知発明)
    不特定の者に秘密でないものとしてその内容が知られた発明をいう。講演、説明会、テレビ放送を介して知られた発明が該当する。
  • 公然実施された発明(公用発明)
    その内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施をされた発明をいう。
  • 刊行物等により公知となった発明(文献公知発明)
    刊行物に記載されている事項及び刊行物に記載されているに等しい事項から把握される発明をいう。刊行物に記載されているに等しい事項とは、刊行物に記載されている事項から本願の出願時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項をいう。
    電気通信回線(インターネット等)を通じて公衆に利用可能となった発明も含む。

新規性喪失の例外(特許法第30条)

  1. 特許を受ける権利を有する者の意に反して新規性を喪失した発明
  2. 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失した発明

なお、発明が新規性を喪失するに至った日から1年以内に特許出願する必要がある。
また、2の場合は、この規定を受けたい旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、その発明がこの規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面(証明書)を特許出願の日から30日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

進歩性

その発明の属する技術分野の通常の知識を有する者(当業者)が、出願時点において知られている技術から容易に考え出すことができない発明が、進歩性のある発明である。既に知られている発明と同一でないだけでは足りず、非同一の程度がある程度高くなければならない。

次のような場合は、進歩性が否定される。

  • 先行技術の単なる寄せ集めの発明
    先行技術のAとBを組み合わせても、本来のA、Bそれぞれが発揮する以上の効果がないもの
  • 公知技術の転用、置換、素材変更、設計変更等
    通常の技術者にとって転用、変更等が困難でなく、効果も予測可能なもの

(参考)

  •  23~’24年版 知的財産管理技能検定®3級 テキスト&過去問題集  宇田川貴央 (著) 秀和システム
  • 知的財産管理技能検定3級公式テキスト[改訂14版]  知的財産教育協会 (編集) アップロード

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