民法を読もう!「基本講義 債権各論Ⅰ・Ⅱ(ライブラリ法学基本講義 )」

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司法・法務

本ブログでは、多くの資格試験で出題されることが多い民法をテーマのひとつとして取り上げている。

これまで、本ブログでは、「総則」、「物権法」、「債権総論」、「契約法」と民法の基本書をご紹介してきた。

「債権」については、「債権総論」と「債権各論」という分類方法がある。「債権各論」には、「契約法」、「事務管理」、「不当利得」、「不法行為」が含まれる。

したがって、「債権総論」と「債権各論」について学べば、民法「第三編 債権」を網羅することになる。

今回は、「債権各論」の基本書をご紹介しよう。

「基本講義 債権各論Ⅰ契約法・事務管理・不当利得 第4版(ライブラリ法学基本講義 6-1)」と「基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法 第4版 (ライブラリ法学基本講義 6-2) である。
共に潮見 佳男(著)、新世社 以下、債権各論Ⅰを本書①、債権各論Ⅱを本書②という。

基本講義 債権各論Ⅰ契約法・事務管理・不当利得 第4版(ライブラリ法学基本講義 6-1)

本書①の特徴は以下の通りである。

債権各論分野における基本書として圧倒的支持を得ているテキストの最新版.2017年債権法改正以降の理論の展開,改正後に注目されるようになった新たな論点を見据えて加筆・修正を行った.他方で,現行法をよりスムーズに理解できるよう,関連の薄くなった改正前民法に関する記述を整理し,簡略化した.読みやすい2色刷.

Amazonの本書①の紹介ページ

「基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法 第4版 (ライブラリ法学基本講義 6-2)

また、本書②の特徴は以下の通りである。

不法行為法における基本書として圧倒的支持を得ているテキストの最新版.実務の世界で通説のように受け取られていた考え方とは異なるものや,判例による法創造と言うに値するものを含む,第3版刊行後に出された重要な基本判例に対応.本書の主たる読者層を意識し,むやみに理論を深掘りすることなく,法学部での専門教育として不法行為法を学ぶ際に到達が求められるレベルを維持しながら必要な補正を施した.読みやすい2色刷.

Amazonの本書②の紹介ページ

本書①は、「債権各論」の契約法、事務管理、不当利得について法学未修者のアクティブ・ラーニングのために作成されたとのことである。ここまで理解していけば、ひとまず十分ではないかと著者が考えられるところをまとめられている。大半の頁数はやはり「契約法」に充てられる。
「です・ます調」いわゆる敬体の文体は非常に親しみやすい。強調の際に用いられる青字も目に優しい。

本書②は「債権各論」のうち「不法行為法」の基本書である。
本書①と同様、法学未修者を対象に、おおよそこの程度のことを理解していれば、法学履修者と一緒に学ぶ場や国家試験でも苦労しないであろうレベルを意識して執筆されたとのことである。

情報が満載でも、かえって難解になって、最後まで読み通せないのではもったいない。
本書は、読者に民法の初学者を想定しており、「です・ます調」もあって確かに読みやすい。
「債権各論」の基本的な知識を身につけておくことは、宅建士などの資格試験の受験を目指すうえでも必要となる。

なお、著者の潮見 佳男先生は、2022年に急逝されました。これから益々のご活躍が期待されていただけに非常に残念で、民法の発展にとっても大損失です。
ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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