論理回路を表すMIL記号
コンピュータの内部には、 論理演算を行う小さな電子回路が数多くあり、 これらを論理回路と呼ぶ。 論理回路は、 MIL記号で図示する。 MIL (ミ ル) は、米軍の規格である Military Standard を意味している。
下表に、 主なMIL記号の種類と意味を示す。 どの図記号も、 左側が入力で、 右側が出力である。 NOT回路の出力には、白丸が付いている。 この白丸は、データを反転することを意味している。 そのため、 AND回路の出力に白丸を付けた記号がNAND(NOT AND)回路になり、OR回路の出力に白丸を付けた記号がNOR(NOT OR)回路になる。
| MIL記号 | 意味 |
|---|---|
![]() | AND回路 |
![]() | OR回路 |
![]() | NOT回路 |
![]() | NAND回路 |
![]() | NOR回路 |
![]() | XOR回路 |
論理回路の入力と出力
コンピュータの内部では、1本の電線で、 2進数の1桁のデータを伝える。MIL記号では、左側の電線から入力されたデータが、内部で論理演算され、その結果が右側の電線から出力される。
例えば、下図は、 AND回路の入力と出力のパターンを示したものである。
AND演算なので、1と1が入力されたときだけ、 1が出力される。 それ以外の入力では 0 が出力される。
AND 回路の入力と出力

MIL記号をつないだ論理回路
試験問題には、いくつかのMIL記号をつないだ論理回路が示されることがある。 このような論理回路の出力が何になるかを判断するには、入力から最終的な出力までのデータの変化を0と1で書き込むとよいだろう。
例えば、下図は、2つのNOT回路と3つのNAND回路をつないだ回路である。 0と1という入力から、最終的な出力までのデータの変化を書き込んである。 線の重なりに黒丸がある部分は、 電線がつながっている。 黒丸がない部分は、 電線がつながっていない (立体交差している)。
いくつかのMIL記号をつないだ論理回路の出力

(参考)情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目A][科目B]2025年版








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