基本情報技術者試験対策(29)「ネットワークの識別番号」

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IT系

MACアドレス、IPアドレス、ポート番号

インターネットでは、データの宛先と差出人を識別するために、3種類の番号が使われている。 MAC (Media Access Control:マック) アドレスIPアドレスポート番号である。複数の番号があるのは、複数のプロトコルが一緒に使われているからである。

MACアドレス

MACアドレスは、イーサネットにおける識別番号である。イーサネットの機能を実現するハードウェアをネットワークカードと呼ぶ。 MACアドレス は、ネットワークカードの製造時に、メーカーによって設定される。全部で48ビットから構成されていて、 上位24ビットがネットワークカードのメーカー番号で、下位24ビットが製造番号である。(下図)

IPアドレス

IPアドレスは、インターネットにおいてホスト (コンピュータや通信機)を識別する番号である。 全部で32ビットから構成されていて、 上位桁がネットワーク (LAN) の番号であり、下位桁がホストの番号である

ポート番号

ポート番号は、インターネットにおいて、プログラムを識別する0~65535(符合なし16ビット整数) の番号である。 1台のコンピュータの中で、複数のプログラムが動作している場合がある。 IPアドレスを指定して目的のコンピュータに到達できたら、そのコンピュータのどのプログラムにデータを渡すかを、 ポート番号で指定するのである。

3種類の識別番号

イーサネットの階層で付加されるイーサネットヘッダの中には、宛先と差出人のMACアドレスがある。 IPの階層で付加されるIPヘッダの中には、 宛先と差出人のIPアドレスがある。 TCPの階層で付加されるTCPヘッダの中には、 宛先と差出人のポート番号がある。 従って、1つのデータには、3種類の識別番号が付加されている。

3種類の識別番号の使い方

MACアドレス、IPアドレス、ポート番号の使い方の例を示そう。 例えば、パソコンで動作しているWebブラウザから、いくつかのルータを経由して、他社のWebサーバで動作しているWebサーバプログラムに、 Webページの閲覧を要求するデータを送るとする。

直接つながっている通信相手は、 MACアドレスで指定し、最終的な通信相手は、IPアドレスとポート番号で指定する。 従って、 通信の途中でIPアドレスとポート番号は変化しませんが、 MACアドレスは状況に応じて書き換えられることになります (下図)。
最終的な通信相手は、IPアドレスで指定すればパソコンとWebサーバであり、 ポート番号で指定すればWebブラウザとWebサーバプログラムである。
これらは、変化しない。 それに対して、 直接つながっている通信相手は、状況に応じて変化する。

下図の左側の部分で直接つながっているのは、クライアントPCとルータAである。
従って、宛先のMACアドレスはルータAで、 差出人のMACアドレスはクライアントPCである。
下図の右側の部分で直接つながっているのは、ルータBとWebサーバである。
従って、宛先のMACアドレスはWebサーバで、差出人のMACアドレスはルータBである。

ウェルノウンポート番号

MACアドレスは、あらかじめネットワークカードに設定されています。IP アドレスは、ネットワーク内のDHCPサーバによって自動的に設定される。

ポート番号は、ユーザが任意に設定できる。
ただし、サーバのプログラムのポート番号は、そのプログラムが使用して いるプロトコルの種類に合わせて、あらかじめ決められた番号を付けること が慣例になっている。 これをウェルノウン (well-known) ポート番号と呼ぶ。

下表に、主なウェルノウンポート番号を示す。 ウェルノウンポートとされるのは、0番~1023番までである。クライアントで動作するプログラム(ユーザが利用するアプリケーション)には、1024番以降の任意の番号を付ける。

主なウェルノウンポート番号

ポート番号プロトコル用途
20FTPファイルを転送する
21FTP制御命令を送る
25SMTPメールを送信および転送する
80HTTPWebページを閲覧する
110POP3メールを受信する

FTPのポート番号が2つあることに注目しよう。 FTPでは、21番のポートを使って、転送の開始や終了、 などを意味する制御命令を送り、20番のポートを使って、ファイルの転送を行う

プロキシサーバ

社内LANとインターネットの間にプロキシサーバを設置することがある。プロキシ (proxy)とは、「代理人」という意味である。 プロキシサーバは、 社内LANのクライアントの代理人として、 インターネットに接続する。 それによって、セキュリティを向上させる効果と、Webページのアクセス速度を向上させる効果がある。

プロキシサーバが設置されたネットワークからインターネットにアクセスする場合は、送信データが、必ずプロキシサーバを経由する。このとき、 プロキシサーバは、送信データの差出人のIPアドレスを、プロキシサーバの IPアドレスに書き換える。 これによって、 返信データは、クライアントに直接返されず、プロキシサーバに返されることになる。 インターネットから見えるのは、プロキシサーバだけになるので、 外部からクライアントへの不正アクセスができなくなる。

プロキシサーバには、一度閲覧したWebページの内容をキャッシュ (cache 貯蔵する)する機能もある。 これによって、 クライアントが同じ Webページにアクセスした場合は、キャッシュされたWebページをすぐに返すことができる(下図)。

参考)情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目A][科目B]2025年版





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