前々回、前回に続いてファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)2級対策のテキストについてご紹介していこう。
’22~’23年版 最短合格2級FP技能士
今回は、「’22~’23年版 最短合格2級FP技能士(きんざい ファイナンシャル・プランナーズ・センター)(以下本書という)」である。試験実施団体のひとつ、 (社) 金融財政事情研究会の関連会社が発行する本書は、「準」公式といえる歴史のある書籍である。もう8年ほど前にはなるのだが、筆者も2級の受検時にはお世話になった。当時は上下巻の2分冊だった。懐かしい(笑)
まずは、総ページ数について。本体部が475ページ。分量としては、各社FP2級最新刊の中では普通である。ちなみに上下巻の2分冊のときは、上巻249ページで、下巻290ページだったので、時代を経て若干コンパクトになった印象。
逆に2色刷りは、各社FP2級最新刊の中では珍しい。各社競うようにフルカラーで出している中でも、実績重視ということだろう。確かにフルカラーは見易さでは利があることは認めるが、重要箇所を強調するあまり、赤色や黄色がきつめの書籍も散見される中、本書は、けっして見劣りするものではなく、むしろ新鮮に見える。なお、赤シートは付属していないが、使用は可能な本書の配色ではある。
先ず巻頭に「試験出題傾向」が掲載されているのが目を引く。
学科試験出題傾向については、6分野ごとに分けてそれぞれ、「試験範囲」、「範囲の細目」について2019年1月から2022年1月までの出題の有り無しが図表となっている。これによって出題傾向が一目でわかるようになっている。
実技試験出題傾向については、「個人資産相談業務」、「生保顧客資産相談業務」、「中小企業主資産相談業務」についてそれぞれ簡潔にまとめられている。
章立ては6分野に対応して、6章である。
頻出内容をコンパクトに解説している。各項目の最後に掲載している「実践Check!」で理解度を確認できる。さらには、章末に「実技試験にチャレンジ」として過去問が掲載されている。
その他の特徴としては、計算問題対策として、「計算例」を多数収録している。
いかがであろうか。この小文がみなさまのテキスト選びの参考となれば幸いである。
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