「運や偶然」について書かれた書籍は、「いかにして幸運をつかむか」という内容がほとんどだが、「運や偶然の仕組みはどうなっているのか」ということに焦点を当てた書籍をご紹介しよう。
「偶然のチカラ 植島 啓司 (著) (集英社新書)」である。
偶然のチカラ
本書の特徴は以下の通りである。
黒鉄ヒロシ氏、名越康文氏、絶賛!
ビジネスや恋愛、家族や友人など、人生のさまざまな側面で起こる多くの事柄。それらは偶然のようにもみえ、一方では運命とも思える。私たちには、さまざまな幸・不幸が降り掛かり、未来に何が起こるのかは誰にも分からない。
では、この不確実な現世において、幸せに生きるためにはどうすればよいのだろうか。ストレスなく、楽しく暮らすためには、何が必要なのだろう?未来が見えないとき、私たちはいったいどうしたらよいのだろうか。
本書は、占いや確率、宗教やスピリチュアルを超え、偶然のしくみを知ることから始める、幸福への新しい方法論について、分かりやすく面白く論じていく。
[著者情報]
植島 啓司(うえしま けいじ)
一九四七年東京生まれ。宗教人類学者。一九七二年東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了後、シカゴ大学大学院に留学、ミルチャ・エリアーデらのもとで研究する。関西大学教授、NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、人間総合科学大学教授を歴任。一九七〇年代から現在まで、世界各地で宗教人類学調査を続けている。『聖地の想像力』『偶然のチカラ』『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』『賭ける魂』他、著書多数。
著者は自分の身に起こったことはすべて必然と考える。
「バタフライエフェクト」という言葉をご存知だろうか。
小さな出来事が大きな結果につながることを意味する言葉である。
筆者は、さらに踏み込んで、「劇的な変化が起こるかどうかは別として、すべての物事は互いに密接な結びつきの中にあるのではなかろうか」と分析する。
何かしら人生のヒントを与えてくれる本書は、手元に常に置いて、何度も読むべき書であろう。
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