民法を学ぼう!「所有権(2)」

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司法・法務

所有権の内容

所有者は、法令の制限内において、自由に所有物を使用・収益・処分することができる(206条)。所有者は所有物について、自らの使用、第三者への賃貸、抵当権などの担保権設定、売却などができる。すなわち、所有権は物を全面的に支配して利益を得ることができる権利である。しかし、所有権にはさまざまな制限が存在する。206条は、所有権の自由が 「法令の制限内」で認められるに過ぎないことを明確に定めている。 制限の存在は当然の前提である。

(所有権の内容)
第206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
(民法・e-Gov法令検索)

所有権を制限するものとして、多くの行政法規が挙げられる。その目的は、社会一般の安全 (建築基準法)、 公共施設の建設・維持 (道路法、航空法、河川法)、自然環境・文化財の保護(文化財保護法)、公害防止(大気汚染防止法)、土地利用や都市環境の維持・形成 (都市計画法、土地区画整理法)など多様である。

また、私法上にも制限が存在する。たとえば、土地所有権については、相降関係(209条~238条)による制限がある 。また、特別法(建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)など)による制限もある。権利濫用禁止規定(1条3項)により、所有権の行使が制限される場合もある。

(基本原則)
第1条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。
(民法・e-Gov法令検索)

所有権、とりわけ土地所有権に対しては多くの制限が存在するが、それでもなお不十分だとする見解が有力である。環境や景観などを維持するため、より多くの制限をなすべきだとされる。背景には、土地所有権は本来、社会全体のものであるという思想がある。しかし、土地所有権はあくまで個々の人に帰属するというのが、資本主義の前提である。両者をどのように調整するのかは時代や考え方により異なる。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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