新・登録販売者試験まとめノート(33)「第2章 人体の働きと医薬品 Ⅱ薬が働く仕組み(2)

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Ⅱ薬が働く仕組み(2)

② 内服以外の用法における粘膜からの吸収

内服以外の用法で使用される医薬品には、適用部位から有効成分を吸収させて、全身作用を発揮させることを目的とするものがある。

直腸内壁の粘膜からの吸収

坐剤はその代表的な例である。肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものである。
直腸の粘膜下には静脈が豊富に分布して通っており、有効成分は容易に循環血液中に入るため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる

口腔粘膜からの吸収

また、口に含むため内服と混同されやすいが、抗狭心症薬のニトログリセリン舌下錠スプレー)や禁煙補助薬のニコチン咀嚼そしゃく剤)のように、有効成分が口腔粘膜から吸収されて全身作用を現すものもある。
これらの部位を通っている静脈血は肝臓を経由せずに心臓に至るため、吸収されて循環血液中に入った成分は、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する。ただ、医薬品によっては、適用部位の粘膜に刺激等の局所的な副作用を生じることがある。したがって、そのような副作用を回避するため、また、その有効成分の急激な吸収による全身性の副作用を回避するため、粘膜に障害があるときは使用を避けるべきである。

鼻腔粘膜からの吸収

鼻腔の粘膜に医薬品を適用する場合も、その成分は循環血液中に入るが、一般用医薬品には全身作用を目的とした点鼻薬はなく、いずれの医薬品も、鼻腔粘膜への局所作用を目的として用いられている。しかし、鼻腔粘膜の下には毛細血管が豊富なため、点鼻薬の成分は循環血液中に移行しやすく、また、坐剤等の場合と同様に、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布するため、全身性の副作用を生じることがある。

眼の粘膜に適用する点眼薬は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがある。従って、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがあるため、場合によっては点眼する際には目頭の鼻涙管の部分を押さえ、有効成分が鼻に流れるのを防ぐ必要がある。

咽頭粘膜からの吸収

咽頭の粘膜に適用する含嗽薬(うがい薬)等の場合は、その多くが唾液や粘液によって食道へ流れてしまうため、咽頭粘膜からの吸収が原因で全身的な副作用が起こることは少ない。ただし、アレルギー反応は微量の抗原でも生じるため、点眼薬や含嗽薬(うがい薬)等でもショック(アナフィラキシー)等のアレルギー性副作用を生じることがある。

参考
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター

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