民法を学ぼう!「婚姻の一般的効果・夫婦同氏」

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司法・法務

婚姻が有効に成立すると、一定の効果が発生する。
これらは、財産関係におけるものと、それ以外のもの(一般的効果)に分けることができる。
これから、婚姻の一般的効果についてみていこう。

夫婦同氏

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。(民法750条)

第74条
婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
一 夫婦が称する氏
二 その他法務省令で定める事項
(戸籍法・e-Gov法令検索)

人の氏名は、人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格を象徴するものである。
故に、その一部である「氏」を改めることを夫婦の一方が強いられる現行の制度に対しては、多くの批判が寄せられている。

約9割の夫婦が夫の氏を選択しているので、実質的な男女不平等という指摘も多い。

1996年の民法改正要綱では、「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)」の導入が提案されたが、反対論も根強く、いまだ実現には至っていない。

現在の民法のもとでは、結婚に際して、男性又は女性のいずれか一方が、必ず氏を改めなければなりません(この制度を夫婦同氏制度と呼んでいます。)が、夫婦同氏制度が憲法に違反しているのではないかが争われた裁判で、最高裁判所大法廷は、平成27年(判決)と令和3年(決定)の2度にわたり、夫婦同氏制度は憲法に違反していないと判断しました。

 もっとも、これらの最高裁判所大法廷の判断は、いずれも選択的夫婦別氏制度に合理性がないとまで判断したものではなく、夫婦の氏に関する制度の在り方は、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と判示しているものです。

法務省:選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について

参考)家族法[第4版]NBS (日評ベーシック・シリーズ)日本評論社

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