2025年度のNHK大河ドラマ「べらぼう」は、江戸時代が舞台である。
写楽、歌麿を世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった蔦重こと蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)の波乱万丈の物語となっている。
ところで、近年、「江戸時代」が見直されているという。
筆者の子どもの頃は、江戸時代といえば、「鎖国」、「キリスト教の禁止」、「士農工商」という厳しい身分制度など、もっぱらネガティブなイメージで語られることが多かった。
明治維新で、日本は近代国家へと歩みを始めたとされている。
これに比して「江戸時代」は前近代的で否定的に扱われてきた。
しかし、見方を変えれば、「鎖国政策」のおかげで日本が植民地として支配されることもなかったとも言える。
そして、明治新政府が、極めて短期間で近代化を成し得たのも、江戸時代にその素地がしっかりと準備されていたからではないだろうか。
ところで、蔦重の物語のように「江戸時代」といえば、「浮世絵」であろう。
そこで、今回は、気軽に「浮世絵」に触れられる書籍をご紹介しよう。
「ニッポンの浮世絵: 浮世絵に描かれた「日本のイメージ」太田記念美術館(監修)、 日野原 健司(著)、 渡邉 晃(著) 小学館 以下本書という」である。
ニッポンの浮世絵: 浮世絵に描かれた「日本のイメージ」
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本書の特徴は以下の通りである。
浮世絵を通して「日本らしさ」を読み解く!
浮世絵に感じる「日本らしさ」とは一体なんでしょうか? 美しい自然や何気ない日常を愛でる日本人の美意識が詰まった浮世絵を、「富士山」「桜」「雨、風、雪」など、モティーフごとに読み解き、〔#おうちで浮世絵〕がツイッターで話題の太田記念美術館が楽しく面白く、徹底解説します。
葛飾北斎「冨嶽三十六景」や歌川広重「東海道五十三次」といった誰もが知る浮世絵の名作、喜多川歌麿や東洲斎写楽、歌川国芳ら人気絵師の作品から、あまり知られていない隠れた名品まで、浮世絵専門美術館ならではの充実した所蔵作品、約180点を収録。私たち日本人の感性と改めて向き合いましょう。 本書は同美術館開催「ニッポンの浮世絵」展連動企画です。【編集担当からのおすすめ情報】
東京・原宿にある太田記念美術館。土地柄、外国人観光客の来館も多く、浮世絵を鑑賞する外国人のまなざしを追いかけることから本企画は始まりました。太田記念美術館ならではの名品の数々を通して、これまでにない斬新な切り口から、浮世絵の魅力を存分にお楽しみください、Amazonの本書の紹介ページより
筆者のイメージでは、「浮世絵」といえば、美人画であるが、本書をみると、様々なものを題材に様々な浮世絵があることがわかる。
本書を参考に、お気に入りの浮世絵を見つけてみてはいかがだろう。
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