TOEIC® Listening & Reading Test(以下TOEIC L&Rという)のリーディングセクションの最後には「トリプルパッセージ」問題が出題される。3つの関連した問題を読んで5つの設問に答える形式だ。3セット、15題である。「読解特急シリーズ」の「トリプルパッセージ(以下TPという)」対策書が、「TOEIC L&R TEST 読解特急6 トリプルパッセージ編(朝日新聞出版)(以下本書という)」である。
TOEIC L&R TEST 読解特急6 トリプルパッセージ編
本書はTPのみ20セット×5問で計100問が収録されている。TPに特化した問題集は珍しい。
TPの特徴は、二つの文書の情報を関連付けて問題を解く相互参照問題(クロス問題)である。先ほど書いたように、リーディングセクションを順番に解いていけば、テストの最後に出てくる。ただでさえリーディングセクションは時間が足りない。やはり、このクロス問題にはしっかり準備して慣れておきたい。具体的には、複数の文書上に出てくる共通情報を手掛かりに、二つの文書を関連付けて解いていく。
本書の最大のメリットは「読解特急シリーズ」の特徴である「新書版サイズで」「どこでも」TPの読解問題に取り組めることだろう。
TOEIC L&RではリスニングセクションのPart2とリーディングセクションのPart5を得点源とする戦略が一般的である。とはいうものの、苦手を作らないことも大切だ。特にPart7での取りこぼしはスコアにかなりの影響を及ぼす。比較的新しい出題形式のTPの対策はタイムマネジメントの意味からも必須と言えるだろう。
本書でちょっと残念なのが、各問題に目標タイムが設定されていないこと。そして、解答用のマークシート用紙が付属していないこと。これは、市販の模試などからコピーするなどして使うことになる。TOEIC L&Rは解答行為自体も訓練が必要であり、改版では是非とも対応していただきたい。
なお、本書の英文パッセージは音声をスマホの無料アプリのabceed(エービーシード) もしくはPCのダウンロード(朝日新聞出版のサイト)で聞くことができる。
音声を聞いて確認できるので、リスニングのトレーニングにもなる。また、音声に合わせて同時進行で英文を目で追う練習をすれば、読解速度を上げる効果も期待できる。
「abceed」はスマホやPCで利用できるAI英語教材である。音声は無料で利用できるが、会員登録は必要である。
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