新・登録販売者試験まとめノート(27)「第2章 人体の働きと医薬品 I 人体の構造と働き(9)」

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I 人体の構造と働き(9)

2 目、鼻、耳などの感覚器官

2)鼻

嗅覚情報の受容器官で、空気中を漂う物質を鼻腔内に吸い込み、その化学的刺激を感じとる。
食品からの嗅覚情報は、舌が受容した味覚情報と脳において統合され、風味として認識される。

(a) 鼻腔びくう

鼻腔上部の粘膜にある特殊な神経細胞(嗅細胞)を、においの元となる物質の分子(におい分子)が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。においに対する感覚は非常に鋭敏であるが順応を起こしやすく、同じにおいを継続して嗅いでいると次第にそのにおいを感じなくなる。

鼻腔は、薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって左右に仕切られている。鼻中隔前部は、毛細血管豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。
鼻腔の粘膜に炎症を起こして腫れた状態鼻炎といい、鼻汁過多や鼻閉(鼻づまり)などの症状を生じる。

(b) 副鼻腔

鼻の周囲の骨内には、骨の強さや形を保ちつつ重量を軽くするため、鼻腔に隣接した目と目の間、額部分、頬の下、鼻腔の奥に空洞があり、それらを総称して副鼻腔ふくびくうという。いずれも鼻腔と細い管でつながっている。

副鼻腔も、鼻腔と同様、線毛を有し粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われている
副鼻腔に入った埃等の粒子は、粘液に捉えられて線毛の働きによって鼻腔内へ排出されるが、鼻腔と連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。

3)耳

聴覚情報平衡感覚を感知する器官で、外耳、中耳、内耳からなる。
側頭部の左右両側に1対あり、音の立体感を認識することができる。

(a) 外耳

側頭部から突出した耳介と、耳介で集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなる。 耳介は軟骨組織が皮膚で覆われたもので、外耳道の軟骨部に連なっている。軟骨部には耳毛が生えていて、空気中の埃等が入り込むのを防いでいる。
外耳道にある耳垢腺じこうせん(汗腺の一種)や皮脂腺からの分泌物に、ほこりや外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢(耳あか)となる

(b) 中耳

外耳と内耳をつなぐ部分で、鼓膜鼓室耳小骨耳管からなる。
外耳道を伝わってきた音は、鼓膜を振動させる。
鼓室の内部では、互いに連結した微細な 3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して、内耳へ伝導する。

鼓室は、耳管という管で鼻腔や咽頭と通じている。急な気圧変化のため鼓膜の内外に気圧差が生じると、耳がつまったような不快感や痛みなどを感じるが、顎を動かす等の耳抜き動作によって意識的に耳管を開けると気圧の均衡が戻って回復する。
また、小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。

(c) 内耳

聴覚器官である蝸牛かぎゅうと、平衡器官である前庭の2つの部分からなる。
蝸牛は渦巻き形をした器官で、内部はリンパ液で満たされ、中耳の耳小骨から伝わる振動がリンパ液を震わせ、その振動が聴細胞の小突起(感覚毛)を揺らして、聴神経が刺激される。

前庭は、水平・垂直方向の加速度を感知する部分(耳石器官と、体の回転や傾きを感知する部分(半規管に分けられる。
蝸牛と同様、内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の動きが平衡感覚として感知される。乗物酔い(動揺病)は、乗り物に乗っているとき反復される加速度刺激や動揺によって、平衡感覚が混乱して生じる身体の変調である。

参考
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター

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