Python(パイソン)はとても人気がある言語である。その理由は、覚えやすく、使いやすいシンプルな文法、ライブラリが豊富なことが挙げられる。特に、AI(人工知能)やデータ分析向けのライブラリが充実している。
本ブログでは、プログラミング言語として「C言語」について扱ってきた。この方針は変わらないが、ここでは、C言語をひと通り学んだ方が次にチャレンジする言語として「Python」をご紹介する。「Python」についても「C言語」同様に様々な話題を扱っていくつもりである。
初回は、2022年現在、入手し易いと思われる「Python」のテキストから、発行が比較的新しいものから筆者が選書して、ご紹介しょう。
「Python[完全]入門 (松浦 健一郎・司 ゆき著、SBクリエイティブ刊 (2021/1/22))以下本書という」である。
Python[完全]入門
なお、本書の著者である松浦 健一郎氏と司 ゆき氏の著書「C言語[完全]入門」について本ブログで、すでにご紹介している。C言語を始めよう(C言語[完全]入門)
その際にも述べたが、本書も同様にかなりの分量があるが、極力易しく、詳しく、丁寧な説明がされている。分量があるのはそのためだが、意外にもスムーズに読み進めることができる。
総ページ数は、592ページ。「C言語[完全]入門」ほどではないが、やはりかなりの分量である。
本書は、「基礎編」と「応用編」に分かれている。
「基礎編」では、Pythonの文法や組み込み関数について詳しく解説している。
Pythonはインタプリタ型のプログラミング言語である。すなわち、プログラムを実行するためにコンパイルする必要がない。もちろん、Pythonの開発環境をインストールして、プログラムコードをファイルとして一旦保存して、それをPythonで実行する方法が一般的であろう。しかしながら、1行から数行程度のプログラムを入力して、気軽にPythonを学ぶには、Pythonインタプリタの対話モードが便利である。コマンドラインからプログラムコードを打ち込んですぐに実行結果を試すことができる。
下図は、Windows11でMicrosoft Storeから「Python 3.10」をインストールして、コマンドプロンプトから「Python3」を実行したものである。
Microsoft Windows [Version 10.0.22621.674]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\python3>python3
Python 3.10.8 (tags/v3.10.8:aaaf517, Oct 11 2022, 16:50:30) [MSC v.1933 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
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応用編は、各書のライブラリを利用して実践的なプログラムを開発する方法を紹介している。
仕事の自動化、AI、スクレイピング(Webスクレイピング※)、データベース、Webといったすぐに業務や研究に役立つ技術を取り上げている。
※プログラムを使ってWebサイトから自動的に情報を収集する技術のことである。
Pythonの特徴は、プログラミング言語としての基本機能が充実していて、しかも各機能が非常に使いやすい形に整理されていることだろう。
本書は、基本機能をかなり詳細に解説している。初めてPythonに触れる方なら最初から、途中で飛ばしたりせず、じっくりと読んでいただきたい。用語としては、注釈はあるが、基本は英語名のまま使用している。例えば、イミュータブル(変更できない)、ミュータブル(変更できる)である。英語を英語のまま理解することに通ずるものであろう。
かなり読み応えのあるボリュームと内容が盛り込まれた本書は、それでいて、非常に読みやすい。そして、辞書のような使い方もできるだろう。
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