知財検定2級まとめノート14「特許法(14)特許権の管理と活用(3)」

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発明 知財検定

本稿では、「知的財産管理技能検定」を「知財検定」と称する。

本稿は、「知財検定2級」の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。

企業経営とライセンス

特許権者は、特許権にかかる発明を自ら独占的に実施できる一方、その範囲内で他人に実施を認めることができる。これを一般には「ライセンス」と呼ぶ。

ライセンスする企業のメリット

  • ライセンス料という営業外収益による研究開発費の回収
  • 協力・提携関係の構築
  • 特許権侵害紛争における円満解決の手段

ライセンスを受ける企業のメリット

  • ライセンスされた技術による営業利益の増大
  • ライセンスされた技術を利用した研究開発コストの低減
  • 特許権侵害訴訟を回避する紛争解決の手段

専用実施権と通常実施権

専用実施権

専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。(特許法77条2項)

実施を認めた範囲内では、たとえ特許権者であっても特許発明を実施できない。(68条ただし書)

専用実施権は、登録しなければ、その効力を生じない。(98条1項2号)

通常実施権

特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。(78条1項)
そして、通常実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を有する。(同2項)

特許権者は、許諾した範囲であっても実施できる。また、同じ範囲を重複して他人に許諾することができる。なお、登録しなくても効力が発生する。

通常実施権は、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有する。(99条)

実施権の限定

実施権は、内容地域期間を限ってライセンスすることができる。

特許権が共有の場合

特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。(73条3項)

先使用による通常実施権

(先使用による通常実施権)
第79条 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。

特許法・e-Gov法令検索

要件

  • 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得したこと。
  • 特許出願の際、現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者であること。(出願前からその実施又は準備をしている場合は先使用権が認められる)

なお、この先使用権による通常実施権を得た実施者は、特許権者に対して対価を支払う必要はない

(参考)
・「知的財産管理技能検定2級公式テキスト(改訂13版)」 知的財産教育協会 (編集) アップロード
・「知的財産管理技能検定2級完全マスター[改訂7版]1特許法・実用新案法」 アップロード知財教育総合研究所 (編集) アップロード

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