本稿は、「知的財産管理技能検定(知財検定という)」の3級の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。
商標登録を受けることができない商標
商標に識別力があっても、様々な理由などから商標登録が認められない場合がある。(商標法4条1項各号)
他人の周知な商標と同一または類似する商標
- 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
- 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標
- 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的で使用される商標
先願の他人の登録商標と同一または類似の商標
当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
商品の品質等の誤認を生じるおそれのある商標
商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標
その他
- 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標
- 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)
- 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
先願主義
同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。(商標法8条1項)
そして、同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について同日に二以上の商標登録出願があつたときは、商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。(商標法8条2項)
なお、協議が成立せず、又は指定した期間内に届出がないときは、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の商標登録出願人のみが商標登録を受けることができる。(商標法8条5項)
(参考)
- 23~’24年版 知的財産管理技能検定®3級 テキスト&過去問題集 宇田川貴央 (著) 秀和システム
- 知的財産管理技能検定3級公式テキスト[改訂14版] 知的財産教育協会 (編集) アップロード
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