本稿は、「知的財産管理技能検定(知財検定という)」の3級の出題範囲の頻出論点をまとめたものである。
著作権法の目的
著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。(著作権法1条)
著作物とは
著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(著作権法2条1項1号)
思想又は感情
例 | 可否 | 理由 |
---|---|---|
新聞記事 | 〇 | わかりやすく簡潔に伝える工夫がある |
新聞に掲載された訃報 | ✖ | 事実の伝達にすぎない |
創作的
創作者の個性が表れていればよく、技術の高さや独創性の高さは要求されない。
表現したもの
考えや思いを外部に表現したものが保護される。
文芸、学術、美術又は音楽の範囲
「文化の範囲」に属するものが著作物となる。
著作物の例示
- 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
- 音楽の著作物
- 舞踊又は無言劇の著作物
- 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
- 建築の著作物
- 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
- 映画の著作物
- 写真の著作物
- プログラムの著作物
(著作権法10条)
これらはあくまでも例示であって、列挙されているものに限られない。
その他の著作物
二次的著作物
著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。(著作権法2条1項11号)
なお、二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、著作権法に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。(著作権法28条)
編集著作物
編集物(データベースに該当するものを除く。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。(著作権法12条)
データベースの著作物
データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。(著作権法12条の2)
なお、編集著作物、データベースの著作物とも、それを構成する素材に著作物性があるならば、それらの著作物を利用する際には、編集著作物等の著作者と、そこに収められた個々の著作物の著作者、双方からの許諾が必要である。(著作権法12条2項、12条の2第2項)
保護対象とならない著作物
- 憲法その他の法令
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
- 1~3に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
(著作権法13条)
(参考)
- 23~’24年版 知的財産管理技能検定®3級 テキスト&過去問題集 宇田川貴央 (著) 秀和システム
- 知的財産管理技能検定3級公式テキスト[改訂14版] 知的財産教育協会 (編集) アップロード
コメント