本ブログでは、多くの資格試験で出題されることが多い民法をテーマのひとつとして取り上げている。
これまで、本ブログでは、「総則」、「物権法」、「債権総論」と民法の基本書をご紹介してきた。
民法は言うまでもなく法律なので、六法全書をみればそこには条文が載っている。
ネット環境があるならば、もっと手軽に、e-Gov法令検索で民法の条文を参照することもできるだろう。
しかし、条文だけを読んでみても、民法を理解したことにはならない。条文と、様々な判例と、学説を通して初めて民法を理解することができると言える。
このために基本書には民法を理解するうえで必要な事項が記載されている。
例えるなら基本書なしに民法の世界に出かけるのは、航海図もなしに大海原に出航するようなものである。それほど基本書は大切なものである。
今回は、「契約法」の基本書をご紹介しよう。
「契約法[第2版]NBS(日評ベーシック・シリーズ)松井和彦、岡本裕樹、都筑満雄 (著)日本評論社 以下本書という」である。
なお、「債権」について、「債権総論」に対して、「債権各論」という分類方式がある。「債権各論」には、「契約法」のほかに「事務管理」、「不当利得」、「不法行為」が含まれる。
したがって、「債権総論」と「債権各論」について学べば、民法「第三編 債権」を網羅することになる。
この「債権各論」の基本書については、後日紹介しよう。
契約法[第2版]NBS(日評ベーシック・シリーズ)
本書の特徴は以下の通りである。
民法を初めて学ぶ人にも分かりやすい記述で、基本をしっかり理解できる教科書。最新判例も反映した、充実の第2版!
目次
第1部 契約総論
第1章 契約の意義・機能・種類
第2章 契約自由の原則とその修正
第3章 定型約款
第4章 契約の成立
第5章 契約の効力
第6章 契約の解除第2部 契約各論1:財産権移転型の契約
第7章 売買・交換
第8章 贈与第3部 契約各論2:財産権利用型の契約
第9章 消費貸借
第10章 賃貸借・使用貸借第4部 契約各論3:役務提供型の契約・その他
第11章 役務提供型契約
日本評論社の本書の紹介ページ
第12章 請負
第13章 委任
第14章 雇用
第15章 寄託
第16章 組合
第17章 和解
本書は、民法を初めて学ばれる方が無理なく通読でき、契約法の「幹」をしっかりと理解できる教科書を目指されて作られている。
そして、「契約法のしくみをきちんと描くこと」、「わかりやすく記述すること」について、心を砕かれて編集されたとのことである。
情報が満載でも、かえって難解になって、最後まで読み通せないのではもったいない。
この点、本書は、民法の初学者を想定しているので、確かに読みやすい。民法の基本的な理解を身につけることは、宅建士などの資格試験の受験を目指すためにも必要となる。
もちろん、司法試験などのさらに難関試験を目指すのであれば、本書の内容をしっかりと理解した上で、さらにC-Book(東京リーガルマインド)などの受験用の書籍に進むとよいだろう。
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