基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアの登竜門として位置づけられる国家試験である。2023年4月の制度改定により、試験の枠組みは大きく変わった。本記事では、まず全体の構成を整理し、これから学習計画を立てる際の土台を提供する。
科目A試験と科目B試験の2部構成
現行のFEは「科目A試験」と「科目B試験」の2つで構成されている。かつての「午前試験」「午後試験」という呼び方は廃止され、名称も内容も刷新された。
| 項目 | 科目A試験 | 科目B試験 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 出題数 | 60問 | 20問 |
| 解答数 | 60問 | 20問(全問必須解答) |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
| 満点 | 1,000点 | 1,000点 |
| 合格基準 | 600点以上 | 600点以上 |
注意すべきは、科目Aと科目Bの両方で600点以上を獲得しなければ合格にならない点である。
片方が高得点でも、もう片方が基準に届かなければ不合格となる。得意分野に偏らず、両科目をバランスよく仕上げる学習計画が求められる。
IRT方式による採点
FEの採点にはIRT(項目反応理論)が採用されている。これは、単純な正答数の割合をそのままスコア化するのではなく、設問ごとの難易度や識別力を踏まえて評価点を算出する方式である。そのため「60問中36問正解すれば600点」といった単純計算は成り立たない。同じ正答数であっても、どの問題を正解したかによって評価点が変動する可能性がある。
目安として6割正解を意識しつつも、余裕を持って7〜8割の得点を狙う学習計画が現実的である。
通年実施・CBT方式
FEは2023年から通年実施となり、全国の試験会場でCBT(Computer Based Testing)方式により随時受験できるようになった。従来のように「4月・10月の年2回」を待つ必要はなく、自分の学習の仕上がり具合に合わせて受験日を選べる。ただし、一定期間内の再受験には制限(リテイクポリシー)が設けられているため、申込前に最新の規定を確認しておくとよい。
科目Aの出題内訳
科目Aの60問は、大きく3つの分野に分類される。
- テクノロジ系:約41問。コンピュータ科学の基礎、アルゴリズムとプログラミング、ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、セキュリティなど範囲が広く、出題数も最多である。
- マネジメント系:約7問。プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントなど、開発・運用の管理に関する知識を問う。
- ストラテジ系:約12問。経営戦略、企業活動、法務など、ITと経営をつなぐ領域を扱う。
テクノロジ系が全体の3分の2近くを占めるため、まずここを重点的に固めるのが効率的な学習順序となる。
科目Bの出題内訳
科目Bの20問は、アルゴリズム・プログラミング分野とセキュリティ分野の2本柱で構成される。
- アルゴリズム・プログラミング分野:16問。擬似言語で書かれたプログラムを読み解き、変数の変化やトレースを追う力が問われる。
- セキュリティ分野:4問。情報セキュリティの基礎知識を中心とした出題である。
科目Bで使われる擬似言語については、後で詳しく取り上げよう。
まとめ
FEは科目A・科目Bのいずれも600点以上が必要という明快な合格基準を持つ一方、採点にはIRT方式という不確定要素が絡む。通年のCBT方式によって受験タイミングの自由度は高まったが、その分「いつ受けるか」も含めた自己管理が学習の成否を分ける。次回は、科目A・科目Bで問われる出題範囲の詳細と、その学び方について整理する。



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